アマチュアで静岡にて超新星捜索を行っている掛井亘さんが超新星を
独立発見した顛末を地元の天文同好会誌に投稿記事が、この度天文専
門誌「星ナビ」8月号の「会誌・会報紹介」に載りました。
前回は、その投稿記事を紹介しました。
その後、再び系外銀河に謎の星像を捕らえたとの事でその顛末を紹介
します。
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謎の星像を捕らえた
7月25日午前1時過ぎ、みずがめ座星域の超新星捜索中に、NGC7218
の中心から少し離れた4時方向に、16等級程の星像を捕らえました。
よくある事なのでいつものようにSkyMapで調べましたが該当する星は
ありませんでした。
一般的なノイズと違うと思い、今度はAradinLiteで調査。
やはり見当たりません。
自分の中では星像の自信があったので少しワクワクしながら確認画像を
撮っていないことに思い当たり、今度は少し位置をずらして拡大して撮像。
ところが今度はもぬけの殻です。
一体あの星像は何だったのか?
腑に落ちないまま捜索を継続しました。
NGC7218の銀河中心部から4時方向に星像らしきものを認める 撮影者 掛井亘氏
謎の星像の正体について
朝になり友人のOno氏に事の次第と画像を送信。Ono氏も「どう見ても星像!!」
との感想でした。
以前SNSの天体写真観測Gでも、時々ノイズではない星像が写る事が少し話題に
なり、今回もその類なのだろうとその場ではそれ以上追及することがありません
でした。
その日の夕方になり、同好会会員のSHOさんから星ナビに掲載いただいた私の原稿
の事で問合せがあり、返信の際にこの件の画像を添付しましたが、どうしても納得
がいかないためもう一度画像を注視しました。
するとNGC7218を水平に貫くような薄い線が見え、所々で薄っすらとして星像がある
ことに気が付きました。
どうやらたまたまNGC7218本体の前面を、変光する人口天体らしきものが通過した
ようで、SHOさんとOno氏にその旨を伝えました。
超新星の捜索になると、どうしても銀河本体に目が行きがちで、全体をカバーする事が
おざなりになりがちです。
また灯りがついた部屋の中の作業とは言え、照度を押さえた中、目の疲労なども加わり
判断が鈍ることもあります。
とりあえず今回の星像は、人口天体らしきものとは言え、実在の星像ということに落ち
着き幕を閉じたのでありました。
浜松スペースハンタークラブ会誌「ほし」第185号より引用 P10
NGC7218の別の撮影画像(下)と比較すると上記の画像では人口天体らしきものが等間隔で写り込んでいる。
その一部が銀河中心部付近に写り込んだようである。画像提供 静岡県 掛井亘氏
まとめ
今回は、静岡県の超新星捜索者の掛井さんの「超新星発見しそこね記」
の後日談として投稿した記事を紹介しました。
今回の謎の星像は人口天体の映り込みではないかと推測しますが、
このような体験をできるのもご本人がそれだけ日夜、熱心に捜索を
している賜物かと思います。
今後の超新星発見の吉報を期待したいところです。
この投稿のご承諾を快く頂いた掛井さんに御礼申し上げます。
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