米国スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」を
代表する多数の人工衛星を連携して一体的に運用する
「衛星コンステレーション」の構築により、近年地球
を回る衛星の数が急増している。
これらの衛星が太陽光を反射して夜空で星のように
輝き、天体観測の障害を与える可能性が大きいと
天文学者が警告している。
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夜空に異変?人工衛星の「光害」
ここ数年、夜空を見上げると、星座の間をスッと横切る明るい点―
人工衛星を目にする機会が増えました。
特に「スターリンク」などの通信衛星が大量に打ち上げられたことで、
夜空の様子が大きく変わってきています。
人工衛星は太陽光を反射するため、地上から見ると明るい線や点として
観測されます。この光が、天体観測にとっては大きな障害となっていま
す。
繊細な星の光や遠方銀河の淡い輝きが、人工衛星の反射光でかき消され
てしまうことが増えているのです。
研究現場からの悲鳴
天文学者やアマチュア天文家からは、「せっかくの観測データが人工衛星の
光で台無しになる」「重要な発見のチャンスを失う」といった声が相次いで
います。
特に、長時間露光を必要とする観測では、人工衛星の軌跡が写真に線状に
写り込み、データの解析が困難になるケースも。
ハワイにあるすばる望遠鏡の広視野カメラの撮影画像に10枚に1枚の割合
で衛星の光跡が写る。
ハッブル宇宙望遠鏡の18から21年の観測画像の4%に衛星が写っている。
衛星が写った部分は天来の明るさを測定できない。
目的の天体に衛星が重なれば、観測自体をやり直しせざるをえない

2025年3月18日 M15 SeestarS50で撮影
2分露出の間に人工衛星の奇跡が映り込んでいる
科学の未来への影響
このまま人工衛星が増え続ければ、天文学の研究自体が成り立たなくな
るのでは― そんな危機感も広がっています。
夜空は人類共通の財産。科学だけでなく、星空を楽しむ文化や教育にも
影響が及ぶ恐れがあります。
また、寿命の尽きた衛星が大気圏に突入する際に発生する感化アルミ
ニウムが、オゾン層の破壊につながっているとの報告がある。
国立天文台の平松正顕室長は、「数が増えるば新しい問題が顕著に
なる可能性がある」と強調。
解決への模索
一部の衛星事業者は、衛星の表面を黒く塗るなどの対策を始めていますが、
根本的な解決には至っていません。
今後、国際的なルール作りや技術開発が求められています。
しかし、運用中の英国のワンウエブや約3000機を打ち上げ予定の
美国アマゾンのカイパー、1万機以上の打ち上げを目指す中国の
通信衛星網など衛星コンステレーションの今後の打ち上げは
各国で計画、準備されている。
国ごとの精度では対策に限界がある現状にある。
まとめ
代表する多数の人工衛星を連携して一体的に運用する
「衛星コンステレーション」の構築により、近年地球
を回る衛星の数が急増している。
、
これらの衛星の急増が、天体観測の障害を与える可能性が大きいと
天文学者が警告している。
夜空を見上げる楽しみ、そして宇宙の謎に挑む科学の営みを守るために、
人工衛星と星空の共存をどう実現するか。
私たち一人ひとりも、現状を知り、考えていく必要がありそうです。
参考及び引用文献
人工衛星が星を隠す?近年急増天体観測の障害に
静岡新聞朝刊 2025年5月4日朝刊より

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