遠州天体写真愛好会(遠天)主催の天体写真展が、
2021年9月から10月に開催されました。
地元のショッピングモールを会場にたくさんの
来場者があり好評でした。
この度、遠天のホームページ内に開催時に実際に
展示された作品がみれるようになりました。
このブログでは、天体写真展の様子と展示作品の
一部の紹介をします。
星空浪漫2021
遠州天体写真愛好会の“星空浪漫2021”のホームページ
の冒頭に下記のような言葉から始まります。
遠天の活動の思いが伝わる文章です。
木枯らし途絶えて さゆる空より
地上にふりしく くすしき光よ
ものみな憩える しじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
もう何十年も前、中学の音楽の時間に習った唱歌、記憶で
書いたので正確ではないと思います。
学校では今はもう歌われていないみたいですが、冬の夜、
いつもの撮影場所で一息つくとこの歌が思い出されます。
歌にあるように、凍てつく空にきらびやかな星座たちが
張り付いていて何か語りかけているような感覚は今もって
変わりません。
たとえば星景撮影の名人たちはこの感じをいとも簡単に
作品に表していますが、誰にでもできるというものでないので、
少しでも追いつこうと試行錯誤を続けていくわけでこれも天体
写真の楽しみの一つだと思われます。
「星空浪漫2021」は、浜松市浜北区の商業施設「プレ葉
ウォーク浜北」で開催されました。県内外の会員約30人が
1年間に撮影した作品114点が展示されました。
星景、月・惑星、星座・天の川、星雲星団・銀河をテーマに
展示され星景では、天竜や春野等に望遠鏡やカメラ、三脚を
持ち込み、地元の特色ある風景と星空を共演させたり、惑星や
星雲星団は個人望遠鏡や共同観測所で撮影した自慢の作品が展示
されていました。
参考及び引用文献 きらきら光る星空浪漫 遠州天体写真愛好会の作品展
中日新聞 2021年9月28日の記事より
各作品ごとに撮影場所、撮影方法、感想が記載されておりました。
写真解説には、撮影者の作品への思いが込められており、
来館者の皆さんにもその熱意が伝わったのではないでしょうか。
この写真展の開催期間は37日間に及びました。
来場者の感想コメントを見ますと地元のランドマークであるアクト
タワーと月や星空のコラボ写真や掛塚灯台と星、弁天島の鳥居天の川
の共演画像、久留女木の棚田と蛍と星空の共演画像等地元には馴染み
と特色のある場所に美しい星空が共演しているのが印象的だったとあ
ります。
遠州天体写真愛好会ホームページより引用
展示作品の紹介
多数の作品の中より遠天代表の田代さんの星景写真の
一部を紹介します。
星と地元ではおなじみの風景と絶妙な掛け合わせをしております。
写真撮影や編集のテクニックも数々の創意工夫がなされておりまして、
天体撮影の長年の経験が作品に表現されております。
遠州灘を照らす掛塚灯台
撮影者 田代 貞
掛塚灯台へは昔から星景写真の題材としてよく通っていました。
移転前の砂に埋もれた赤さびた灯台。小高い丘に移転し真っ白くなった灯台。
最近構築された防潮堤坊の傍らに残された灯台。
周りの風景は変わっても明滅する灯りは昔のまま、静かに海を照らし続けます。
<作者より>
防潮堤の上から灯台を見下ろして撮影しました。
堤防は東海地震に対応して14mの高さがあるので見晴らしが良いです。
灯台の光達距離は24kmほど沖を進む船舶のよき標識であることが良くわかります。
灯台の明かりと天の川を両方写すには少し苦労がいりました。
<撮影データ>
撮影日時 2021年 8月4日 21時14分
露出 2.5秒×11枚比較明合成
絞り 2.8 ISO 10000
カメラ CANON EOS6D (HKIR改造)
光学系 シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM Art 14mmで使用
撮影システム 三脚固定
画像処理ソフト フォトショップCC他
印画システム CANON ip7830 画彩PROペーパー
撮影地 磐田市駒場
アクトに昇るブルームーン
撮影者 田代貞
ブルームーンとはひと月に2度ある満月のうち2度目の満月を言います。
この月は10月2日に満月があったのです。実は名前のように決して月が青く
見えるわけではありません。
むしろ、実際には月の出は超低空のため淡いピンクや赤い月に見えること
が多いです。
2021年にはブルームーンは1回もなく、次回は2023年8月31日となり珍
しい現象です。今回はハロウィンにも重なりました。
<作者より>
今日は土曜、満月、天気良し、出動!と友人と浜名湖まで出かけました。
アクトタワーから昇る満月を撮るため湖西市の海釣り公園に機材をセットし
月の出を待ちました。
事前に位置を調べていたものの10m程度の誤差でも月の位置が変わって
しまうので月がアクトに重なった時はほっとしたことを覚えています。
撮影は強拡大のため望遠鏡を使用しました。
<撮影データ>
撮影日時 2020年10月31日 17時07分
露出 1/100秒
絞り F7.9 ISO 1600
カメラ CANON EOS6D (HKIR改造)
光学系タカハシ FC76屈折 FL600mm F7.9
撮影システム 三脚固定
画像処理ソフト フォトショップCC他
印画システム CANON ip7830 画彩PROペーパー
撮影場所 湖西市海釣公園
蛍舞う棚田
撮影者 田代 貞
久留女木の棚田は日本棚田百選のひとつで引佐町にあります。
山間の丘陵に大小300ほどの棚田があり、現在はその約半分が
水田耕作をしています。
田植え前の代掻きで水面が鏡のように空を反射する頃がカメラ
マンが集まる時期です。
田植えが終わりしばらくすると蛍の季節を迎えます。
早苗の間を静かに飛び交う光の明滅を見ているとノスタルジックな
気分に浸ることが出来ます。
<作者より>
今年の蛍は時期が遅かったせいかあまり飛びません。
1時間の間連射した割には目の前を飛ぶ蛍はわずかです。遠くの草むらには
多く光っていたのに残念でした。
この日、友人と撮影に出かけたところ、年配のカメラ女子も撮影に来ていて
夜の撮影もいとわない熱心さに驚かされました。
カメラの性能向上が夜間撮影のハードルを下げたのでしょうか。
<撮影データ>
撮影日時 2021年 6月9日 20時03分~21時03分 露出 5秒×642枚比較明合成 2.8 ISO 2000 カメラ CANON EOS6D (HKIR改造) 光学系 シグマ 14-24mm F2.8 DG HSM Art 14mmで使用 撮影システム 三脚固定 画像処理ソフト フォトショップCC他 印画システム CANON ip7830 画彩PROペーパー 撮影場所 浜松市北区引佐町 |
記事リンク ”星空浪漫2021” 遠州天体写真愛好会ホームページ
まとめ
昨年開催された遠天主催の天体写真展“星空浪漫2021”の作品
がweb上で閲覧できるようになりました。
当時の会場の雰囲気と作品の1部を紹介しました。
遠天には粒ぞろいにベテラン天体写真家がおります。
これらの作品に触れて天文に興味を持って頂けたらうれしいです。
次回は、引き続き遠天写真展の作品を幾つか取り上げて紹介
します。
今回、このブログでの紹介及びリンクを快く承諾頂きました
遠天代表の田代さんにお礼を申し上げます。
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