こんにちは、天文ファンの皆さん!
今回は、史上3例目の発見となる2025年7月1日発見されて
話題になっている恒星間天体「3I/ATLAS = C/2025 N1
(ATLAS)」の特徴と、7月7日〜8日にかけて日本を含む
世界各地で期待されている恒星掩蔽(こうせいえんぺい)
(観測されれば恒星間天体としては史上初)の歴史的
イベントをご紹介します。
また、7月8日の掩蔽観測を浜松スペースハンタークラブの
和久田俊一氏が、自作のEpyskyを使用してシュミレーショ
ン検証しましたのでこちらも紹介します。
注)タイトル画像は、「3I/ATLAS = C/2025 N1
(ATLAS)ではありません。
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3I/ATLAS = C/2025 N1 (ATLAS)とは?
発見日:2025年7月1日
チリに設置されたATLAS望遠鏡によって発見されました。
分類:史上3例目の「恒星間天体」
(太陽系外から飛来した天体)
軌道:離心率 約6.08の双曲線軌道で太陽系を高速通過中
速度:太陽に対する相対速度は約61 km/s
近日点(10月29日)では最大68 km/sに達する見込みです。
サイズ:核の直径は推定1km未満〜20km程度(詳細は未確定)
活動:発見直後からコマや尾が観測され、彗星と分類
明るさ:最も明るくなるのは2025年11月頃(12等級前後)
※肉眼では見えませんが、望遠鏡では観測可能
3I/ATLASは、「オウムアムア(1I/ʻOumuamua)」「ボリソフ彗星
(2I/Borisov)」に続く、観測史上3例目の恒星間天体です。

上の図は、浜松スペースハンタークラブ会員の
和久田俊一氏が、自作の天文シュミレーション
ソフトによる同彗星の太陽系内の軌道の様子
です。
MEC-2025-N12 で 3個目の恒星間天体の発見が
公表されましたので、軌道図を描画してみました。
離心率が 6.28 と異例の双曲線軌道になっています。
僅かなコマと3″ほどの尾が確認されているようです。
7月7日・8日:史上初の「恒星掩蔽」観測のチャンス
恒星掩蔽とは?
彗星や小惑星などの天体が、地球から見て恒星の前
を通過し、光を一時的に遮る現象です。
掩蔽の観測により、以下のような情報が得られます。
- 核やコマの正確な大きさ・形状
- 彗星周囲に広がるダストの分布
- 大気やアウトガスの兆候 など
今回の意義
恒星間彗星による掩蔽観測が成功すれば世界初。
地球外から飛来した彗星を直接測定できる前代未聞の
機会です。
7月7日 日本での観測チャンス
日本でも、この歴史的掩蔽現象が観測できる可能性が
あります。
京都大学OAES/PONCOTSプロジェクトのSNSに
よりますと明日7月7日23:42-23:43のタイミングで、
3I/ATLASによる異なる恒星(R = 13.4 mag)の掩蔽
が日本で観測できる可能性が高くなっているようです。
先に予報されていた恒星より暗く、観測の難易度はより
高いですが、特に過去に掩蔽観測を実施された経験のあ
る皆様にはぜひ観測にトライいただけたら幸いです!
とコメントしています。
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観測のポイント
観測対象:3I/ATLASが特定の恒星の前を横切る瞬間
観測機材:望遠鏡+高感度カメラ(動画撮影推奨)
確認事項:
掩蔽の正確な時刻や対象恒星の座標は、最新の天文予報
やSNS情報をチェック
晴天必須。薄明や月明かりの影響にも注意
※アマチュアでも成功例が出る可能性あり!
7月8日 世界的な初の恒星間天体の掩蔽観測に
7月8日には、世界中のプロ・アマ観測者が3I/ATLASに
よる恒星掩蔽の観測に挑む事になります。
成功すれば、人類史上初の恒星間彗星の掩蔽観測として
記録される歴史的快挙になるはずです!



浜松スペースハンタークラブの和久田俊一氏が
、Epyskyを使用して7月8日の掩蔽観測の
シュミレーションを行った図です。
下記は、ご本人のコメントになります。
一昨日、3I/ATLAS による13等級の恒星食が東北地方
で見られるとの予報が速報されていました。
恒星間天体による恒星食など夢にも思わなかったので
EphSkyを急遽改修して対応しました。
その後の改良された軌道要素によると、中心食線は南方
の北マリアナ諸島方面の海域に移動しました。
食の最大が予測される地点での状況図と食地図を添付
しました。
3枚目の画像は、食が最大になる時刻と場所で、彗星と
恒星の視位置が完全に一致することを確認した独立検算
になっています。
もし観測されれば、史上初で素晴らしいことですが、
明るい月がすぐ近くにある上に、食の継続時間が長く
ても 0.4秒では、かなり難しいように思います。
和久田氏より7月8日に追記あり
本日(7月Ⅷ日)公開されている JPL Horizons の最新
軌道要素により推算しました。
中心食線は大半が太平洋を通過しており、 Google Earth
で調べて中心線にかかる島がありません。
中国大陸では広州市を通過しています。
昨日のプログラム不安定の原因が判明したので対応します。
なお、推算結果への影響はありませんでした。
7月7日の恒星掩蔽をシュミレーション

和久田俊一氏が同彗星による今夜の掩蔽に
ついてもEpySkyでシュミレーションして
くれました。
和久田氏のコメントです。
対象恒星は Gaia DR3: 4119651816224362752
と判明しました。
推算結果の経路図です。
食の最大時刻は 7/7 23:42:38 JST 継続時間は 0.3秒
弱です。

和久田氏のコメントです。
7/7 当夜の水戸での状況図を添付します。
高速天体のため影の移動も異常に高速で、まだ
プログラムが対応し切れていないようです。
推算動作が不安定のため、少し自信がありません。
和久田氏の検証したシュミレーションをご紹介
しました。
梅雨時期で天候がすぐれない日本ですが、
実際に掩蔽観測が行えるでしょうか。
まとめ
- 3I/ATLASは太陽系外から飛来した貴重な彗星で、
- 今現在、太陽系内を通過中です。
- 7月7日夜、日本でも掩蔽観測の大チャンス
- 7月8日にも世界的な掩蔽観測の機会があります。
- 成功すれば天文学史に残る出来事になります。
- この歴史的瞬間に、ぜひ皆さんも今後の動向に
- ご期待してください。
Epyskyのシュミレーション結果を当ブログへ
掲載許可を頂いた和久田氏に誌面にて感謝
します。

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