静岡で超新星捜索を行う掛井氏について、ご本人の手記
「超新星発見しそこね記」を以前に当ブログで紹介しました。
現在も、超新星捜索に尽力をされております。
その後の捜索への取り組みについて書かれた同好会の会誌や
メーリングリストの手記を当ブログにてご紹介します。
超新星捜索者のリアルな貴重な体験を文面と実際の
捜索画像にてお伝えしたいと思います。
ご本人の手記よりご紹介します。
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SN2022xkqの独立発見について
いつものように早めに寝て 10月26日、日が変わる寸前の23時50分頃目が
覚めました。
外を見ると空は曇りがちで、しばらくPCでドラマを見たりYouTubeを見て過ごし、
午前2時10分頃そろそろ寝ようかと外を見ると、まばらな雲越しにオリオン座
の姿が見えたため、急いで支度をしてリゲルで架台の同期を済ませ、リゲルの西側
の空域を探すことにしました。
有名な魔女の横顔がある辺りです。
10月27日午前2時49分頃、うさぎ座のNGC1784を導入すると星の位置がおかしい
ことに気が付きました。
銀河の外側の腕の5時の方向に参考画像にない15等の星が見え
ました。
早速位置を変えたり拡大したりし、MPチェッカーで小惑星の存在がないことを知り、
何かが存在していることを確信しました。
ビショップさんのHPにも記載がないことから、多分既に見つかっていてもアップされて
いないSNかと思い、TNSでチェックしましたがヒットするものはありませんでした。
あまりにも明るいので多分既発見されたSNだと思ってもこのまま報告
していいのか躊躇しました。
悩むより相談とばかりに香取の野口さんに電話で助けを求めると、「何か見つかったんです
か?」と嬉しそうに話されました。
今までの経緯と明るいので既に見つかっている物が増光しているみたいだと告げたところ、
「そのまま待っててください。」とすぐにPCで操作され、「2022xkqですね。
2週間くらい前に18等で見つかっています。」との回答。
もとより新発見ではないことを予想していましたが、それよりも久しぶりに本物に出会えた
ことが嬉しかったです。
「あとは運があれば新発見につながりますね。」と話を締めくくられ
ました。
野口さん曰く、「ビショップさんのHPは個人のもの(非公共機関)なのであてにしていない
」との事でした。
なお、私が最初にTNSでヒットっできなかったのは、単純に神作時に数値を入れ間違えた
だけのようで検索範囲を広く取り入力しなおしたら該当天体が表示されました。
この1件があって間もなくビショップさんの一覧表にSN2022xkqが表示されました。
なお群馬の大島さんの測光だとこのSNは、14.7等級とのことで、どうも今のところ一番明るい
超新星のようです。
再来週の小海星フェスまで明るさが持続していれば、大型の望遠鏡で眼視で見えるので
はないかと期待しています。
SN200xkq in NGC1784 撮影者 掛井亘氏
4つのSNの独立発見を振り返る
捜索を開始して3年になりましたが、最初の2年は全く絣模試中たものの、
今年になってから①SN2022ewj(3月20日)、②SN2022jli(9月12日)、
③SN2022xkq(10月27日)、④SN2022wpy(11月8日)と、捜索中に
偶然出会うようになったきました。
SN2022jliはホスト銀河がNGC157という事で、2か月ほど前に、比較的
明るい光度で南半球のアマチュアが見つけていたのが記憶にあり、すぐに
わかりました。
SN2022wpyについては、既に他の情報で10月26日に撮影済みでした。
なんとも間抜けでしたがすっかり記憶に抜けていて、当日は結構バタバタ
しました。
こんな事でもたまにあると、捜索の励みになります。
ATLAS,ZTFを始めとする捜索チームが隙間なく捜索するなど、捜索環境として
はかなり難しい物がありますが、あまり高望みしないで続けていきたいと思って
います。
まとめ
今回も超新星捜索者の掛井さんの超新星独立発見の手記をご紹介しました。
これから超新星捜索を志す方や取り組まれている方にも役に立つ手記
ではないではないでしょうか。
今後のご活躍が期待されます。
当ブログに手記の掲載を快く承諾頂きました掛井さんに誌面にて
お礼申し上げます。
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