地元の天文同好会・浜松スペースハンター
クラブの和久田俊一氏が、今、話題の
恒星間天体3I/ATLASが10月3日に火星に
最接近、小惑星Phaethonが10月1日に北海道
地方、10月8~9日に欧米で星食現象を起こす
ことを軌道計算しました。
タイトル画像 3I/ATLASが10月3日の火星
最接近の軌道図 提供 和久田俊一氏
ブログ村ランキング参加中、応援クリックお願いします

にほんブログ村

恒星間天体3I/ATLAS
2025年7月、南米チリのATLASプロジェクトによって
発見された「3I/ATLAS」は、史上3例目の恒星間天体、
つまり太陽系外からやってきた珍しい“宇宙の旅人”です。
この天体は本来、太陽系で誕生したのではなく、8億年
以上前に他の恒星系で生まれ、長い宇宙の旅を経ていま
太陽系を通過中と考えられています。
初期観測では「ただの岩?」と思われましたが、コマや
短い尾が観測され、彗星として正式に認定されています。
核の直径は最大5〜6km級に達し、過去の恒星間天体
“オウムアムア”や“ボリソフ彗星”よりも大型です。
高速で太陽に接近し(近日点通過で秒速約68km)、
地球最接近は2025年12月頃となります。
「太陽系を一度きりで通過する」という神秘性と、
超新星爆発に由来するであろう成分を持つ可能性から、
「もう二度と出会えない」一期一会の出逢いが魅力と
いえます。
今後の観測の楽しみ
通常の彗星と同じく、ガスや塵のコマが望遠鏡で確認
できるため、「別の銀河の化石」を直に目撃できる貴
重なチャンスです。
SF的な人工物仮説や“宇宙ボトルメール”説で話題性も
抜群です。
宇宙の広がりとロマンを直感的に味わわせてくれる存在
です。
3I/ATLASの姿を撮影
島田市のアマチュア天文家の大石賢氏が、
縮小光学系コリメート方式による撮影
方法で、7月24日にこの彗星の撮影に
成功しております。

2025年7月24日22.13

2025年7月24日22.25 上下の画像より短時間で移動しているのがわかる
撮影者のコメントです。
3I/ATLAS を撮影しました。
ご指摘どおり非常に高速で移動しているため、30秒
の1枚撮りとしました。
PCのモニター上でも確認できました。
雲が流れる中での撮影のため、バックの恒星の写り方
が一定にはできませんでしたが、3I/ATLAS の移動は
撮影できました。
機材
ミューロン210 コリメート収縮光学系
合成焦点距離 約600mm
CMOS PlayerOne URNUS-C Pro Gain350
露出30秒
コリメート撮影で、画像がフラットでないため、
メトカーフコンポジットはできません。
関連記事リンク
-縮小コリメート光学系を応用して暗い天体を撮影する-
10月3日に3I/ATLASが火星に再接近する

10月3日の3I/ATLASと火星の位置関係 和久田俊一氏提供
浜松スペースハンタークラブの和久田俊一氏
が、Epysky等の自作ソフトで軌道計算を
行いました。
10月3日に彗星が火星に再接近するとの事
です。
この時、火星の周回軌道にいる探査衛星が
この未知の彗星を観測する絶好の機会になりそう
なのですが。
和久田氏のコメントです。
10月3日に 3I/ATLAS が火星に最接近します。
火星からは良く見える位置関係になるので、周回中
の探査機から観測されるとよいのですが…。
観測数は 4,000 に到達間近ですが、軌道は重力だけ
で説明できるようです。
追記
恒星間天体 3I/ATLAS彗星の観測が火星周回探査機
Mars Express と ExoMars Trace Gas Orbiterに
よって観測中とのことです。
2025/10/3に探査機と彗星が最接近(距離3000万
km)となる.
Phaethon(ファエトン) ― “青い彗星”の異名を持つアポロ型小惑星
Phaethon(ファエトン、(3200) Phaethon)は、
1983年に発見された地球近傍小惑星で、アポロ型
小惑星に分類されます。
「ふたご座流星群」の母天体として有名で、毎年12月
中旬に地球がPhaethonの軌道と交差することで、大
量の流星(流星雨)が観測できます。
普通の彗星と違い、活動が極めて控えめな“ロックコメット
(岩彗星)”と言われ、主成分は岩石。太陽接近時に表面が
加熱されて塵が放出されます。
このため、彗星のような尾はほとんど見えません。
大きさは直径5.1km前後と推定されています。
極めて楕円的な軌道を持ち、太陽に非常に近づくため、公転
周期は約1.43年と短いのも特徴です。
“青く見える小惑星”としても知られ、可視光から近赤外で
他の小惑星より色が青っぽいとされます。
Phaethonの観測の楽しみ
他の彗星型天体と異なり、Phaethonを直接望遠鏡で見ると
点状ですが、毎年のふたご座流星群の時期には、空一杯の流
星ショーという“壮大な宇宙イベント”を私たちにもたらして
くれます。
「彗星と小惑星の中間的存在」「巨大流星群の元祖」として、
天文学や宇宙好きの話題に事欠かない個性派の天体です。
10月1日にPhaethonによる恒星食が北海道で起こる
和久田氏によると小惑星Phaethonによる恒星食が
北海道地域で13等星の恒星食が起こると報告
してくれました。
以下は計算者のコメントです。
2025/10/1 Phaethon による 13等星の食があります。
先日(9/19) は北海道南部でしたが、今回は掩蔽帯が
道中央部を横断しています。
小惑星の軌道要素: JPL#924
恒星:UCAC4 665-020793 13.5 (Gaia DR3)


恒星食が起こるエリアの予報図です。

恒星食の掩蔽時間の予報です。
10月8から9日に欧米にてPhaethonの星食が起こる
和久田俊一氏より10月8から9日に欧米で
Phaethonによる12等の恒星食が起こる
との情報を頂きました。


和久田氏の、星食についてのコメントです。
JPL がほぼ一日置きに暦を改訂するなど、欧米で
話題になっているファエトンによる12等星の食
です。
小惑星の影はベンガル湾で地表に接し、インド、
カスピ海、ウクライナ北部、ベラルーシ、カリー
ニングラード、デンマークを通ります。
その後は北大西洋を横断し、北米東部を南下して
メキシコ沖の太平洋で地球から離れて行きます。
今回は影の速度が16.3km/s と高速で、掩蔽時間は
長くても 0.3秒ほどの厳しい条件です。恒星は12.2
等と比較的明るいですが、満月を過ぎたばかりの月が
近くにあり、北米では小惑星の高度も約40°と低く、
観測はかなり厳しいものになると思われますが、多
くの観測者が参加するようです。
まとめ
地元の天文同好会・浜松スペースハンター
クラブの和久田俊一氏が、今、話題の
恒星間天体3I/ATLASが10月3日に火星に
最接近、小惑星Phaethonが10月1日に
北海道地方、10月8~9日で欧米にて星食現象
を起こすことを軌道計算しました。
島田市の大石賢氏が7月24日の恒星間天体
3I/ATLASの撮影。
その画像を紹介しました。
どちらの天体もこれからも要注目して
行きたい天体です。
当ブログの掲載に辺り、和久田氏、大石氏に
誌面にて感謝致します。

スポンサーサイト
ドメイン取得とホームページ作成には


ブログ作成には


コメント