日本人の大腸がん患者の約5割に一部の腸内細菌の
分泌する毒素が原因となる固有の遺伝子変異を
国立がん研究センターのチームが5月21日に発表
した。
この変異は諸外国との平均の2.6倍多いという。
若年層の大腸がんでこの変異が関係し、増加
傾向にあるという。
注)タイトル画像の細菌画像は、今回のテーマの
細菌とは関係ありません。
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研究の概要と主な発見
国立がん研究センターなどの研究チームは、世界11カ国・981人の
大腸がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析した。
その結果、日本人患者のおよそ5割で「コリバクチン」という腸内
細菌が分泌する毒素による特徴的なDNA変異が見つかりました。
この割合は他国の平均の2.6倍と非常に高いことが分かりました。
このコリバクチン毒素は、大腸の細胞のDNAを傷つけ、がんの発生
につながる変異を引き起こすと考えられている。
若年層の大腸がん増加との関係
今回の調査で、注目したのが、この変異が50歳未満の若年患者で特に多く、
70歳以上の高齢患者と比べて約3.3倍も多いという点です。
つまり、若い世代の大腸がん増加の背景には、この腸内細菌の毒素が大きく
関与している可能性が示唆されています。
なぜ細菌が原因なのか?
コリバクチン毒素を産生する腸内細菌は、大腸菌の一種など一部の細菌です。
これらの細菌が腸内で増殖し、長期間にわたり毒素にさらされることで、
がんのリスクが高まると考えられています。
また、患者の腸内から毒素を分泌する細菌が検出されない場合も多く、
過去に毒素にさらされたことが原因と推定されています。

今後の展望と予防への期待
なぜ、日本人にこうした変異が多いのか、どんな食生活や環境が
毒素を分泌する腸内細菌と関連するかは不明という。
国立がんセンターの柴田龍弘がんゲノミクス研究分野長は、
「この変異が国内でどれだけ広がっているのかを調査
したい」と言う
そして、毒素のはたきを邪魔したり、毒素に関連する腸内細菌のみを
除去する方法が開発できれば、それが大腸がんの予防につながって
いくと期待されています。
今回の研究で、若年層の大腸がんの重要な発症要因が明らかになったことで、
今後はコリバクチン産生菌の感染経路や予防法の研究が進むことが期待され
ています。
例えば、母子感染の可能性や、乳酸菌などによるコリバクチン産生菌の抑制
なども今後の研究テーマです。
また、歯周病菌との関連など、さまざまな腸内細菌が大腸がんに関与している
可能性も指摘されています。
参考及び引用文献
静岡新聞朝刊
大腸がん細菌原因5割か 国内発症関係も
分泌毒素でゲノム変異 国立がんセンターなど発表
関連記事リンク
大腸がんリスク因子コリバクチン産生菌の検査法を開発!-産生酵素に着目-
まとめ
- 日本人の大腸がん患者の約5割で、腸内細菌が分泌する毒素によるDNA変異が
- 確認されたこの変異は若年層で特に多く、国内の大腸がん低年齢化の一因と
- 考えられる。
- 今後は、腸内細菌のコントロールや感染予防が大腸がん対策の新たな鍵と
- なるかもしれません。
大腸がんは早期発見・予防が重要です。定期的な検診や、腸内環境を整える
生活習慣も見直していきたいですね。
以上、最新の大腸がん研究ニュースのご紹介でした!

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