天気予報でおなじみの気象衛星「ひまわり8号」の観測画像からオリオン座にある
赤色巨星「ベテルギウス」の大減光の原因解明に迫る成果を挙げたと東京大学研究
チームが、5月31日に英科学ネイチャー・アストノノミーに発表しました。
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オリオン座のベテルギウス
表面温度は太陽の半分ぐらいの3600度なのに太陽の直径の700から1000倍
の大きさに収縮を繰り返しています。
約5年半の周期で1等級程の範囲で明るさを変える「半規則変光星」です。
赤色巨星と呼ばれ終末に近い星になります。
参考及び引用文献 星空教室 冬の星座 藤井旭 誠文堂新光社
オリオン座の左腕の肩に輝くベテルギウス
2019年に起こったベテルギウスの減光
オリオン座のベテルギウスが2019年の暮れから2020年の初頭にかけて減光しました。
一時期は観測史上最も暗くなり、観測された当時は超新星爆発の前兆ではないかと話
題になりました。
大減光の原因として、表面温度の低下とベテルギウスから多数の塵のガスが放出され
たという双方が考えられました。
塵の量を知るには中間赤外線による持続的な観測の証拠が必要でした。
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ひまわり8号の観測装置を利用
東京大大学院博士課程の谷口大輔さん等はひまわり8号の撮影した地球の
画像の周辺部に明るい恒星が映り込むことがあるのに着目しました。
ひまわり8号には中間赤外線の観測装置を搭載しており2017年1月から
2021年6月の4年と半年のデータより3日に2回ほどのベテルギウスの観測
データを得ることができたそうです。
ベテルギウスの減光の原因は塵の増加
ベテルギウス周辺の塵の量と時間変化を調べて、明るさの変化と比較すると、
大減光の際に塵の出現量が増大していることが判明した。
この塵の増加が今回の減光に影響している事がわかった。
谷口さんによると気象衛星を応用するアイデアは、2020年末にSNSに投稿
されたひまわり8号の観測画像に月が写っているのを見つけたからとの事。
今回のベテルギウスの観測の月の観測にも応用している。
参考文献および引用文献
静岡新聞(夕刊) ベテルギウス大減光のなぞ 解明に「ひまわり8号」
2022年5月31日
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谷口大輔のページ – データ – ひまわり8号による光度曲線
まとめ
2019年にベテルギウスの大減光が起こりました。
当時は超新星爆発現象の前兆ではないかと話題になりました。
東京大学の研究チームがひまわり8号の観測画像を利用してその減光の原因が
ベテルギウスから大量に放出された塵が原因だという事を英科学誌に発表し
ました。
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