11月2日夜から3日明け方にかけて、細く欠
けた月がしし座で火星と木星を立て続けに訪
れます。
日本では「火星食」は見られませんが、月
と火星の接近、そして翌朝には月と木星の
大接近が楽しめます。
タイトル画像
秋の東空に月・火星・木星・レグルスが集合
11月3日04時頃
ステラナビゲーターでシュミレーション
11月2日夜の月と火星の接近
11月2日の深夜、東の空から昇る月は火星に近
づきます。
火星は0.8等前後の赤い光で、月の細い縁のそば
に浮かぶ姿は、色と明るさのコントラストが美
しいシーンです。
日本時間では、月と火星は11月2日22時39分ごろ
に約1度まで近づき、23時24分ごろに約1度3分で
合となります。
ただし日本ではこの時間帯、両天体が地平線下の
ため、実際に眺められるのは深夜に昇ってきた後
の接近した姿です。

月と火星の接近の様子
11月3日0時頃の月と火星の様子
ステラナビゲーターでシュミレーション
南太平洋で見える火星食
フランス領ポリネシア、クック諸島、ピトケアン諸島
の一部では、月が火星の手前を通過して、赤い惑星を
一時的に隠す火星食が起こります。これは月の影響で
火星が「消えて、また現れる」珍しい現象です。
火星食は、月と火星が同じ方向に並んで見えるだけで
なく、月の縁が実際に火星を横切るという幾何学的な
偶然で起こります。
そのため、地球全体で見えるわけではなく、南太平洋
の限られた地域だけが特等席になります。
11月3日の明け方に月と木星が大接近
翌11月3日の未明から明け方には、月がさらに東へ進み、
明るい木星へ大きく近づきます。
木星はマイナス2等級前後と非常に明るく、細い月との
組み合わせは肉眼でも強く印象に残ります。
日本では、最接近の瞬間は昼間になるものの、明け方
にも月と木星は約1.3度まで近づき、高度も高く見ご
たえがあります。
月は時間とともに木星へ寄っていくので、数時間おき
に眺めると、天体の動きそのものを感じられます。

月と木星の接近の様子
11月3日03時頃の月と火星の様子
ステラナビゲーターでシュミレーション
レクルスが加わる「明るい4天体が集合」
この夜空の魅力は、月と惑星だけではありません。
火星と木星の近くには、しし座の1等星レグルス
も輝いています。
赤い火星、白っぽく明るい木星、青白いレグルス、
そして月——色・明るさ・距離感が異なる4天体
が同じ空に集まるのです。
火星と木星は今後も近づき、11月15日深夜から
16日明け方に最接近します。つまり今回の月の
訪問は、火星と木星が接近していく過程を、月
が「実況」してくれるような眺めだと言えます。
観察のポイント
観察のポイント
時間帯:深夜から日の出前がおすすめです。月・
火星・木星・レグルスが東〜南東の空
に昇ってきます。
場所:東〜南東方向が開け、地平線や街明かり
の影響が少ない場所を選びましょう。
肉眼:まず月を見つけ、その近くの明るい点を
火星や木星として探します。
双眼鏡:月のクレーター、木星の伴星、火星の
色み、レグルスとの対比を同時に楽しめ
ます。
撮影:広角レンズで月と惑星を一緒に収めると、
並びの変化や色の違いが伝わる一枚にな
ります。

月と木星の接近の様子
11月3日03時頃の月と火星、
木星、レグルスの様子
ステラナビゲーターでシュミレーション
まとめ
月は地球の周りを約1か月で一周するため、夜ごとに
東へ移動し、惑星や恒星のそばを次々に通過します。
11月2日から3日は、その移動が火星、木星、レグ
ルスという豪華な「停車駅」で重なった特別な夜で
す。
南太平洋では火星が月に隠れ、日本では月と木星が
明け方の空で寄り添う。同じ宇宙の出来事でも、立
つ場所によってまったく違う景色が広がる——これ
こそが天文現象の魅力です。

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