今回は、星を見る会の代表である八木弘巳さんにお話をお伺いしました。
八木さんは、数十年地元の公共天文台を中心に星空観望会の運営に取り
組まれ、移動観望会の取り組みを中心にたくさんの方々に星を見せてき
た方です。
昨年の星空案内人(星のソムリエ)講座により、16人もの星空案内人が
認定されました。
八木さん所有の望遠鏡
八木さんは、浜松市内在中で、市中心部よりやや東に位置しており4階立て
のビルに住んでおります。
屋上から周囲を見回すと周囲に大きな建物はなく全周囲の空を見渡せる
環境です。
近所に照明の明るい建物があるのが残念だと語っておりました。
1階に宮内光学の双眼鏡とスカイエクスプローラー製の屈折望遠鏡がありました。
星を見る会ののぼりが後ろに見えます。
屋上に設置してある自作26cmニュートン反射望遠鏡です。
鏡は池谷鏡で良く見えるとの事です。
高橋製作所10cm反射望遠鏡
ご自身の書斎部屋にも小型カセグレン望遠鏡が設置してあります。
書斎の窓から常にいつでも星を見れるようにしているようです。
昨年、12月10日の夕刻に飛来した大火球も友人と電話で話しながら
偶然、この書斎の窓から見たそうです。
関連記事リンク
関東から南の方向に火球 しばらくは流れ星がたくさん見られるかも
朝日新聞デジタル
天文ボランティアの取り組みに至る経緯について
1982年4月に浜松市天文台が開台しました。
その1か月後の5月に訪問したのが最初のきっかけになったそうです。
訪問当日に不用意に観望の最中に顔を出して当時の指導主事に怒
られ大変恐縮したと笑いながらお話されておりました。
最初は、天文台には学者・学芸員が居て専門的知識や技術を指導
してくれると思い浜松市天文台協会員に入会しました。
ところが、天文台は市民への啓蒙活動の場所であり天文学の専門
知識や技術を習得する場所ではなかったんです。
学芸員が一人もいなくてがっかりしたんです。
そんな中で天文協会員としてボランティア活動に励む事になりました。
私は、移動天文教室を担当する事になったんです。
移動天文教室の取り組み初年度は5回の教室を小学校、公民館、子供会
を対象に実施しました。
当時は10㎝反射赤道義、6㎝屈折赤道義の2台しかなく自分の所有する
20cm反射赤道義ピラーを持ち込んで行ったそうです。
仙台市天文台のボランティア団体は年間30回程開催している事を知り、
地元の子供会からの開催要望が増えていた事もあり効率化のため、
天文台を経由せず、自宅で、ワゴン車に積み一人で組み立てる事が
できる最大口径の35cmシュミカセ、15cm屈折、15cm双眼鏡へ
グレードアップしたそうです。
これにより、移動観望会の実施回数を増やし、移動観望で出来る
最大口径の望遠鏡を見せる事ができるようになりました。
2005年より浜松市天文台で移動天文車キラキラ号を導入しました。
この車には30cmシュミカセ、15cm屈折、15cm双眼鏡を搭載します。
観望会の開催数は、年間70~80回に及ぶそうです。
参考及び引用文献 浜松スペースハンタークラブ同好会誌 星より
関連記事リンク
浜松市天文台の紹介! 公共天文台の魅力と活用について -1-
星を見る会の取り組み
八木さんは、浜松市天文台の観望会事業の枠に捕らわれず、企業や
浜松市外の観望会の要望に応えるため、浜松星を見る会を設立しました。
- ガーデンパーク(静岡県立公園) 毎月
- 石人の星公園(静岡県立公園) 毎月
- 静岡県磐田市竜洋海洋公園オートキャンプ場 毎月
- はるの山の楽校(浜松市) 毎月
- 法多山(静岡県袋井市)「星満夜」 年1回
私個人、天文台ボランティアの観望会事業を合わせると年間100回に
及び全国的にも有数の回数を行っております。今後さらに他県の天文台
施設では太刀打ちできないオンリーワンになる活動をして行きたいと
言っております。
星を見る会で今後行われる観望会のスケジュールについてや観望会の
活動の様子を今後このブログで今後定期的にお知らせしようと考えて
おります。
現在(2022年2月時点)コロナウイルス感染症オミクロン株感染拡大まん延
防止条例の発令により浜松市天文台及び星を見る会の観望会の開催は中止
されております。
星空案内人講座
最近、星空案内人という言葉をよく聞くようになりました。
地元のFM局の番組でも準星空案内人の資格を持つパーソナリテイが司会をして
星空に関連した番組を毎週放送しておりますが、八木さんはこの星空案内人の
資格講座の取り組みも行っております。
私は、監修してるだけで他のスタッフに実技指導をして頂きました。
それがよかった。
スタッフが実技指導に熱心に取り組んだ事が受講者にも伝わって講師、参加者が
ともに大変熱心に講義や実技指導に取り組んでくれました。
昨年は、浜松市天文台の星空案内人講座より16名の星空案内人が認定されたんです。
関連記事リンク
浜松市立天文台40周年記念 星空案内人認定授与式・渡部潤一先生の講演について
「星空案内人」16人に認定証 浜松市天文台 あなたの静岡新聞より
2021.12.14
浜松星空案内人(星のソムリエ(R))養成講座 マチパブより
こちらは昨年(2021年)の案内になります。
来年度の星空案内人講座の開催のお知らせも今後当ブログからも発信する
予定です。
今後の展望
八木さんの今後の取り組みとして星空案内人(星のソムリエ)の育成
との事です。
今後も星空案内人講座を開催し講義や実技指導に取り組み後進を育てたい。
焼津の「星人の会」等と協力して行政の垣根を越えた静岡県全体での
星空観望会の展開をを構想しているそうです。
ナイトビジョン(NV)やCMOSカメラ等の電子観望機材を導入にして
市街地でも暗い星雲星団なども観望対象に取り入れて行きたいと意欲的に
語っていた。
ナイトビジョン(NV)については、当ブログで記事に取り上げました。
浜松市天文台でNVを利用した観望会を開催しましたのでその様子も
今後紹介したいと思います。
関連記事リンク
星空を楽しむ最新ツール Night Visionの紹介 NVを使用すると肉眼でも8~9等級の
星が見える
まとめ
今回は星を見る会の八木さんのインタビューを紹介しました。
八木さんはマスコミ等から取材があるとか「私はアマチュア
天文家ではありません。」と断ってからお話を始めるとの事で
すが、八木さんの行った観望会の参加者から星に興味を持って
アマチュア天文家を志した方々もたくさんいるのではないで
しょうか。
また八木さんは市外の天文団体にも広くネットワークを持ち、
地元の数々の天文同好会にも積極的に交流しております。
私も含めて八木さんを通じて天文ネットワークを広げている
方も多いと思います。
今後も星を見る会の開催スケジュールや星空案内人講座等の
取り組み募集等の情報をこのブログでお知らせして行きたい
と思います。
取材に快く協力して頂いた八木さんに感謝します。
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