2021年を振り返る!日本人の新天体発見について

astoronomy

2021年も残り数日になりました。

この時期に今年の日本人による新天体発見を

振り返ってみます。

激変光星の発見や太陽に非常に近い位置で発見

された新彗星等興味深い発見がありました。

北海道釧路市の上田清二さんによる新星発見

北海道釧路市の上田清二さんは6月12.537日(日本時間

22時10分)に焦点距離200mmレンズ+デジタルカメラを

用いて撮影した画像よりヘルクレス座に8.4等の新星を

発見しました。

6月12.6-12.7日には6等級まで増光したようです。

発見位置 赤経 18h57m30.95s 赤緯 +16°53′39.6″ 

静岡県O氏にによりますヘルクレス座新星撮影画像

三重県の中村さんの発見したカシオペア座V1405 

三重県亀山市の中村祐二さん3月18.4236日(世界時)に135mmレンズ

+CCDカメラを用いてカシオペア座に9.6等級の新星を発見しました。

発見位置

赤経: 23時 24分 47.74秒

赤緯: +61度 11分 14.8秒  (2000.0年分点)

星が好きな人のための新着情報7月28日の記事によりますと、3月18.2436日に

発見したカシオペア座新星V1405は、発見時9.6等星でしたが、5月には

5等級にまで明るくなしましたが、7月28日の記事によりますと再び6等級に増光

しているようです。

この新星が、急激な増光現象を引き起こすタイプの激変星だという事です。

この新星の3月から5月の観測の詳細が、VSOJ(日本変光星観測者連盟)

にあります。(No.371、No.375より)

この新星が、急激な増光現象を引き起こすタイプの激変星だという事が

わかります。

静岡県の西村栄男氏がぎょしゃ座に新彗星を発見する。

静岡県掛川市の西村栄男氏は7月22日早朝、ぎょしゃ座に10等級の新彗星が発見

した。

西村氏は,7月22日早朝,200-mm f/3.2 レンズで,ぎよしゃ座を

撮影した捜索画像上を動く10等級の新彗星を発見しました.

氏は,翌7月23日早朝にこの彗星を確認しました

彗星には,2′.5の集光したコマがあって,拡散状とのこと。

この彗星は2021年8月13日(日本時間)に近日点を通過して太陽まで約0.8天文

単位まで接近します。

1か月のうちにやまねこ座、かに座、しし座へ急速に移動するようですが

太陽に近い位置に見えるようです。

今後、さらに詳しい観測と今後の彗星の予報が発表されると思います。

日本人による新彗星の発見は2020年1月8.8604日発見の岩本雅之氏のC/2020A2

岩本彗星以来1年ぶりの発見になります。

西村氏は1994年のC/1194N1中村・西村・マックホルツ彗星を発見しており2個目

の新彗星発見になります。

東亜天文学会彗星課の佐藤裕久さんは、今までの内外の西村彗星の観測より

軌道要素が求められました。(下記に掲載)

発見時当初より太陽に近い方向で発見されたのですが、位置予報図のElong.

(太陽からの離角)の数値が日々小さくなっています。

近日点は、7月22日に通過しています。

今後、地上から眼視的に観測するのは難しいようです。

Comet C/2021O1 Nishimura

T=2021 Aug.12.11491 TT 

q=0.8035088 e=1.0

Peri 71.19636 Node 40.8490

Incl. 27.1444

2021 (0h R.A(2000)Decl. Deita  r  m1 Elong

July.25 06  51.89 +31 08.2 1.725 0.875 10.1 22.3 

July.30 07  24.58 +31 30.1 1.710 0.842 9.9  20.8 

Aug.4 07  57.95 +31 18.01 1.705 0.818 9.8 19.2

Aug.9 08  31.22 +30 30.7  1.710 0.806  9.7  17.7

Aug.14 09  03.60 +29 09.8 1.724 0.804 9.7 16.3

Aug.19 09  34.45 +27 19.5  1.748 0.814  9.8  15.1

Aug.24 10  03.35 +25 06.1 1.779 0.835 10.0 14.0

東亜天文学会彗星課 佐藤裕久さんの新彗星発見速報から

引用させて頂きました。 

この数値は西村彗星の軌道要素と彗星の位置推算予報になります。

ここから太陽と地球と彗星の位置関係、放物線軌道の有無

彗星の位置情報、明るさ、太陽との離角がわかります。

今後、別の記事でこの表の見方等を説明したいと思います。

今回、注目してほしいのが前述したようにElong(太陽の離角)

の数値が日々小さくなっているところが、この彗星の今後の観測

のむつかしさを物語っております。

7月22日に西村さんがこの彗星を見つけなければ、世界のだれも

この彗星に気が付かず、遠日点のかなたに行ってしまったかもしれ

ません。

この発見の貴重さがわかります。

西村彗星の画像

山形県の板垣公一氏がこぎつね座に新星を発見する。

山形県山形市の板垣公一氏は、7月16日にこぎつね座の中に新星を発見しました。

板垣さんは7月16.475日(世界時)に焦点距離180mmレンズ+CCDカメラを

用いて撮影した画像よりこぎつね座の中に12.0等の新天体を発見しました。

板垣さん自身で口径50cm望遠鏡で確認を行った。なよろ市立天文台や千葉県の

清田さん等多数の観測しゃによって確認されました。

発見位置  赤経 20時21分07.70秒 赤緯 +29度14分09.3秒 (2000年分点)

発見前日の15日に撮影された画像にはこの天体の位置には14.2等よりも明るい天体は

写っていないことから、この天体は1日ほどの間に明るくなった天体である事が分かり

ました。

この天体の分光観測は7月16.915日にイギリスのR.Leadbeaterさん、17.102日に

イタリアの観測グループによって観測され、この天体はP Cygプロファイルを持つ水素

のバルマー輝線の他、電離した窒素や中性ヘリウムの輝線が見られること、P Cygプロ

ファイルの輝線に対して秒速1400kmほど青方偏移していることなどが分かりました。

このようなスペクトルの特徴からこの天体が古典新星であることが確認されました。

発見後の観測によるとこの新星は発見後の7月18-19日ごろには13等程暗くなったものの

その後再び明るくなりはじめ7月23日夜には12等第前半で観測されました。

11月の新天体発見

◎11月14日 板垣公一さんがアンドロメダ銀河の回帰新星(M31N 2008-12a、

約1年に1度爆発)の増光を世界に先駆けて発見しました!

◎11月29日
徳岡修二さんがおおぐま座の銀河UGC 4671に超新星2021afsj (Ia型)を発見しました!
ご自身初となる超新星発見です。

まとめ

2021年も残り数日です。

今年の日本人による新天体発見について振り返りました。

内容のボリュームが多くなりましたが、日本人が

新天体発見に如何に貢献しているかがわかります。

2022年もこのような新天体発見情報をお伝え

できればと思います。

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