2021年初頭に発見され地球や金星に接近し明るくなると予報されていた
レナード彗星。
13日の地球に接近後アウトバーストによる急増光を起こし、予報より
数等級明るくなりました。
海外では、大変長い尾が観測されました。レナード彗星について振り
返って見ます。
レナード彗星(C/2021A1)
2021年1月3日、レモン山サーベイの1.5m望遠鏡でりょうけん座と
うしかい座の境界近くを撮影した側索画像上に19等級の明るさで
発見された新彗星です。
新彗星は近日点距離が小さく(q=0.62AU)発見当初より明るく
なるのではないかと予報されてました。
彗星は2021年12月12.6日UTに地球に0.23AUまで最接近し、
その6日後の12月18.1日UTに金星に0.029AUまで最接近し、
この状況を地球から見ると彗星と金星が約5度まで接近する事に
なる。
参考及び引用文献 月刊天文ガイド 2022年2月号より
12月3日のレナード彗星 明るくなりM3に接近
彗星は地球接近に伴いしだいに明るくなりました。
12月3日にりょうけん座のM3球状星団に接近
しました。
私が、この頃眼視的に見た印象では、M3が6.4等級くらいなので
それより2等級くらい暗い印象に見えました。
尾も見えるのですが、望遠鏡的に見える長さでした。
静岡県T氏撮影
MT250 FL1500mm EOS6D(HKIR)20s ISO16000
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_0044-1-683x1024.jpg)
12月11日のレナード彗星
12月13日に地球に最接近するのですが、その頃には太陽に近く
観測がむつかしい位置にありました。
私は観測地の立地の影響で。12月9日が東で見るレナード彗星
の最後の姿になりました。
地球に近づいているものの彗星の光度はやはり予報の5等級
には満たない明るさに見えました。
これは、彗星が地球に接近しているものの近日点が来年
1月3日のため、太陽から遠いため彗星自体の光度が
上っていないのではないかと思いました。
12月11日の静岡県T氏の画像です。
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/MG_8960-CR2_DxO_DeepPRIME-12-682x1024.jpg)
12月15日に海外でアウトバーストが観測される
12月15日07時JSTに海外より西天に見えるレナード彗星が、
2.6等の明るさで観測されバーストを起こしたのではないかと
の情報がありました。
12月15日に国内でもアウトバーストで急増光して
コマが広がりつつあるとの観測報告がありました。
参考及び引用文献 月刊天文ガイド 2022年2月号より
私が西天のアウトバースト後のレナード彗星を見たのは
12月20日です。
バーストによりコマは小さく集光して恒星状に見える程で、
そのコマをガス状の塊が扇状に取り巻きそこから後方に
尾になって伸びていました。
東天に見えていたころのレナード彗星とは、明るさも形状も
一転した姿に見えました。
そこから数日間、彗星の様子を見ていますとコマの周辺が
しだいに広がり尾が伸びていくようでした。
静岡県T氏の撮影画像です。
恒星状の集光からしだいにコマが広がり尾が伸びていく
のが画像からもわかります。
12月18日から25日の画像を掲げます。
12/18
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/MG_9795-CR2_DxO_PRIME-1024x709.jpg)
12/20
17:58 300mmF2.8→F4.5 ISO1600 4s×6枚コンポジット GP赤道儀自動追尾
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/MG_2137-CR2_DxO_PRIME-1024x677.jpg)
12/23
18:03 300m F4.5 ISO800 20s×6枚コンポジット 周辺減光をカットしたトリミング
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/prime6maicomp-11-1024x722.jpg)
12/25
18:01 FC76 ×0.75Re F5.9(FL450mm) ISO16000 2s×21枚 EOS6D(HKIR) SXP自動
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/21mai-1-1024x684.jpg)
変化するコマの形状
静岡県のK氏がレナード彗星の頭部を撮影の時系列に
並べた画像を作成しました。
K氏のコメントを下記に掲げます
彗星頭部を拡大して並べてみました。
12/20は核部分から右上に明い部分が伸びてます。
噴出物でしょうか。(左下は星です)
12/22頭部が膨らみ、尾も成長しました。
12/23再び核部分が明るくなってます。
12/25頭部と尾がまた膨らんでいます。
機材:EF400mm(F2.8)+EOS5D2 露出:2~4s ISO=1600
![](https://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2022/01/C2021A1頭部の変化_1220-25_skaneko-1024x480.jpg)
レナード彗星の長く伸びた尾が観測される
レナード彗星の尾が60度の長さにに及ぶという。
星の好きな人のための新着情報によりますと
12月29日に暗いアタカマ砂漠の空で撮影
されたレナード彗星の尾が60度におよぶとの事です。
画像を拝見すると尾は長く不規則なねじれを
認めます。
満月の大きさが約30分なので満月2個の
大きさで1度になります。
60度では、満月120個を並べた大きさに
なります。
国内でも尾の長さがうお座のフォーマルハウト
を越える長さで広角カメラで撮影されております。
関連記事リンク
A Disconnection Event in the Tail of Comet Leonard
レナード彗星(C/2021 A1)の長大な尾 2021年12月31日
星の好きな人のための新着情報
まとめ
2021年の12月頃から明るくなったレナード彗星の
地球接近時、アウトバースト後の様子をまとめて
見ました。
日々姿が刻々と変わる興味深い彗星でした。
昨日、レナード彗星は近日点を通過しました
が、残念ですが今後日本では観測しにくい位置
(南半球)に向かいます。
今朝は、しぶんぎ流星群の極大日でした。
朝の4時から5時頃の間に数個の明るい流星が
望遠鏡の視野を通過しました。
![](http://science-motley-story.com/wp-content/uploads/2021/12/hakken_ufo.png)
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