昨年、開催された遠州天体写真愛好会の写真展ですが、アマチュア
天文家の力作が勢ぞろいしております。
その作品の中からからピックアップして、当ブログで紹介して
おります。
今回は、地元の高校で長年、教師と天文部の顧問をしながら天体
写真を撮影している遠州単体写真愛好会ベテランの今村守考さん
の作品を紹介します。
今回は、その作品の中でも惑星をテーマにして取り上げます。
(タイトル画像 今村守考氏撮影)
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火星最接近
2020年10月6日、2年ぶりの火星最接近でした。
《作者より》
今回は2018年の最接近と比べて視直径が95%ですが、前回より地平高度が高く、前回が
ダストストームで模様がよく見えなかったので、今回こそはと撮影しました。
<撮影データ>
共通データ FS-128 1040mm 5倍バロ-レンズ ZWO ASI385 FireCapture 左上から右に順 1 2020年9月14日21:54頃。-2.1等、視直径20.9″ 大シルチス。 露出2分 シャッター 5.561ms ゲイン62% 13268フレーム撮影 AutoStakkert!2で25%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 2 9月27日22:16頃。-2.4等、視直径22.2″ シレーン、キムメリア人の海。 露出2分 シャッター 5.561ms ゲイン62% 15189フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 3 10月1日21:48頃。-2.5等、視直径22.5″ 露出2分 シャッター 5.561ms ゲイン62% 11327フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 左下から右に順 4 10月2日21:20頃。-2.5等、視直径22.5″ TOA-130 1000mm 5倍バロ-レンズ ADC ZWO ASI385 露出77秒 シャッター 5.561ms ゲイン60% 7816フレーム撮影 AutoStakkert!2で50%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 5 10月5日-2.5等、視直径22.6″ 露出2分 シャッター 6.108ms ゲイン63% 12312フレーム撮影 AutoStakkert!2で25%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 6 10月6日火星再接近の日20:59頃。-2.6等、視直径22.6″ 露出2分 シャッター 7ms ゲイン53% 13961フレーム撮影 AutoStakkert!2で25%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 撮影地 浜松市中区上浅田自宅 |
火星最接近後
《作者より》
2020年10月6日、2年ぶりの火星最接近でした。
最接近頃までは地平高度がまだ低いため大気の揺らぎを考えて屈折望遠鏡で撮影し、
最接近後は高度も高くなってきたのでより口径の大きな反射望遠鏡で撮影しました。
<撮影データ>
共通データ μ210 2415mm 2倍バロ-レンズ ZWO ASI385 FireCapture2.6 左上から右に順 1 2020年10月12日22:29頃。-2.6等、視直径22.4″オーロラ湾、太陽湖。 露出2分 シャッター6.907 ms ゲイン59% 13033フレーム撮影 AutoStakkert!2で50%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 2 10月15日21:40頃。-2.6等、視直径22.2″サバ人の湾、アリンの爪。 露出2分 シャッター6.907 ms ゲイン59% 5347フレーム撮影 AutoStakkert!2で50%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 3 10月18日21:24頃。-2.5等、視直径22″サバ人の海~大シルチス。 露出2分 シャッター6.907 ms ゲイン56% 15334フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 左下から右に順 4 10月20日22:42頃。-2.5等、視直径21.8″サバ人の海~大シルチス。 露出2分 シャッター6.307 ms ゲイン56% 7856フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 5 10月26日22:25頃。-2.3等、視直径21″大シルチス~チュレニーの海。 露出2分 シャッター6.307 ms ゲイン56% 15228フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 6 10月27日21:42頃。-2.3等、視直径20.8″キムメリア人の海。 露出2分 シャッター6.307 ms ゲイン56% 15687フレーム撮影 AutoStakkert!2で30%スタック処理、Registax6でウェ-ブレット処理 撮影地 浜松市中区上浅田自宅 火星の表面の模様の名称と位置はこちらを参照ください。 【特集】火星(2020年10月6日地球最接近より 表面模様を解説しよう アストロアーツ |
木星と土星の大接近
2020年12月21日木星と土星は大接近しその間隔は0.11° 200倍の望遠鏡で同時に 見えるほどでした。 この写真を写した12月22日の間隔は0.12°でした。 木星と土星の会合周期は20年で、前回は2000年でこのときの間隔は7°でしたので 今回はいかに大接近したかわかります。 今回同様の0.1°まで接近したのは1623年の 7月17日で、今回の大接近は397年ぶり ということになります。 《作者より》 2020年12月22日の木星の光度が-2.0等、土星が0.6等と望遠鏡で見たときの明るさ がかなり違うためHDR撮影を行って、輝度差の大きな撮影に対処しました。また夕方西 の空の撮影で撮影天体がすぐ沈んでしまうため、時間にゆとりもない撮影でした。 高度も15度以下と大気の揺らぎもひどく多数撮影したうち一番良いものを選びました。 <撮影データ> 撮影日時 2020年12月22日17:38 露出時間 ISO3200、1/30秒 カメラ GH4 HDR撮影 光学系 μ-210(2415mm)+2倍バロー 架台 NJP EZEUSⅡ 撮影地 浜松市中区上浅田自宅 |
木星と土星
土星のリングは氷を主成分とする数cmから数mの粒子で構成されています。
土星の大気の主成分は木星と同じ水素とヘリウムです。
木星の南半球にある渦巻は大赤斑と呼ばれ、1664年にカッシ-ニが発見して
以来350年以上存在しています。
大赤斑は白色の帯の中にある高気圧性の渦で、風速毎秒100m程度で反時計回り
に回転しています。
《作者より》
木星には大赤斑が写っています。
土星のリングのうち、Aリングとその内側のBリング、そしてその間のカッシ-ニ
.の間隙がよくわかります。
<撮影データ>
撮影日時 2020年8月30日撮影の木星と土星 光学系 タカハシμ-210(2415mm) ASI385MC 2倍バロ-レンズ(焦点距離4830mm)、 UV/IRカットフィルター FireCapture2.6で撮影 露出 土星 120秒 シャッター185ms ゲイン54% 649フレーム撮影 AVI 木星 90秒 シャッター47ms ゲイン50% 1949フレーム撮影 SER AutoStakkert!2でスタック処理 土星50%スタック、木星50%スタック Registax6でウェ-ブレット処理 |
まとめ
今回は、遠天の写真展の中から今村さんの惑星の写真を
紹介しました。
木星と土星の最接近の画像から火星大接近時の表面模様の
日々の変化をお楽しみ頂けましたでしょうか。
2022年も12月に火星が地球に接近します。
今回当ブログに作品掲載を快く承諾頂きました
今村さんに誌面にて御礼申し上げます。
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