再帰新星のひとつであるさそり座Uが2010年1月以来12年振りの爆発増光を
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再帰新星さそり座U
さそり座U(U Sco)は再帰新星(反復新星や回帰新星とも呼ばれる)の一つです。
およそ10年周期で爆発を繰り返して明るくなる新星です。
1863年にイギリスのポクソンが9.1等で発見しました。発見から20日後に
13等以下に減光して見えなくなりました。
その後1906年、1917年、1936年、1945年、1969年、1979年、1987年、
1999年、2010年1月に再増光が観測されました。
6月7日に再増光が観測される
長崎県の変光星観測者、森山雅行さんは、25cmシュミットカセグレン
望遠鏡+CCDカメラにより6月6日22時34分の撮影時には17.3等以下で
見えなかったのですが、翌日6月7日2時17分に撮影した画像には11.4等
の明るさに増光しているのを発見しました。
この情報は変光星観測ネットワーク(VSNET)に報告されました。
岡山県の前原裕之さんより7日3時33分に9.2等級。
海外の観測者により8等の明るさになっているのが観測されました。
SNS上でさそり座UNO増光の観測が紹介
さそり座Uの増光はSNSでも話題になっております。
関連したSNSのリンクと投稿者のコメントを掲げました。
デジカメおじさんのツイートより
[vsolj-obs 78054] U Sco の増光報告
—– Variable Star Observations —– SCOU 20220606223447
<173C Myy SCOU 20220606261714 114C Myy
observer : M.Moriyama(Sasebo,Nagasaki,Japan)
instruments : 25cmSCT(F10)+ x0.63 Reducer +ST-10XME
画像は、2010年に増光時のもの。
先回、先々回は明け方でしたが今回は好条件です。
現時点、7等台の報告もありますが、急減光すると予想されるため、要注目。
世界の変光星観測者が、まだか、まだかと待っていただけに森山さんの発見
は快挙ですね。祝発見!
北海道の佐野康男さんが8.5等の明るさで観測報告しております。
2022年6月7日の観測画像と光度曲線です。
フィルター無しで連続測光(約120分)しました。
Vmag=+8.356、緩やかに0.2等ほど減光していました。
再帰新星の爆発のメカニズム
新星増光は、白色矮星と伴星の近接連星の間で起こる爆発現象になります。
伴星から流れ込んだガスが白色矮星の表面の集合して行きその中で
核融合反応による爆発が起こります。
この爆発は白色矮星の表面上で起こる爆発です。
爆発により白色矮星を取り巻く降着円盤は消失するのですが、数か月で
もとの状態に戻りその後、再び伴星からのガスが降り積もって行きます。
白色矮星の質量が大きく伴星が赤色巨星ですと爆発の回数の間隔が短く
数十年の周期で爆発を起こす新星がありそれを再帰新星と呼びます。
さそり座Uやへびつかい座RS等がこの新星になります。
へびつかい座RSは昨年新星爆発が起こり明るくなり話題になりました。
2021年の天文現象を振り返る! 反復新星へびつかい座RSが肉眼等級に再増光した。
関連記事及び引用記事
再帰新星さそり座Uが12年ぶりに爆発、8等台に アストロアーツ
CBET:5129: U SCORPII
VSOLJニュース「反復新星のさそり座Uが12年ぶりに新星爆発」
まとめ
再帰新星さそり座Uが12年振りに明るくなっております。
全く見えない星が突然明るくなる様子を実際に観測すると
宇宙の神秘性をより感じる事ができます。
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