日本の探査機はやぶさ2が2020年に持ち帰った小惑星りゅうぐうの
砂などの試料を詳しく分析した結果、アミノ酸23種類以上を検出した
ことを研究チームが発表しました。
また、試料が含む金属粒子の並び方よりりゅうぐうは、氷
が主成分になる「氷天体」とみられることもわかってきました。
生命生存に極めて重要な物質で生命誕生の謎を解明する
大きな手掛かりになると期待されている。
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りゅうぐうから見つかったアミノ酸について
りゅうぐうから見つかったアミノ酸は23種類になる。
主な成分について紹介します。
- グルタミン酸 食べ物の代表的なうまみ成分になる
- アスパラギン酸 体内のエネルギー生産に関わる。
栄養剤にも用いられる。
- グリシン アミノ酸の中で最も単純な構造
- セリン 絹に含まれるたんぱく質から見つかったアミノ酸
- イソロイシン 必須アミノ酸
哺乳類では主に筋肉で分解される
- トレオニン 必須アミノ酸
血液凝固に関わるたんぱく質から見つかったアミノ酸
- バリン 必須アミノ酸
多くのたんぱく質に含まれる
※必須アミノ酸 人間の生命活動にかかせないアミノ酸
生命の生存にかかせないアミノ酸の起源は、45億年前に誕生した地球内で起きた
様々な現象による化学反応によって誕生した説と宇宙から飛来した隕石が地球に到達
したという説があり今回の発見は後者の説が有力になる発見になるという。
今回のアミノ酸発見の課題
自然界にあるアミノ酸は分子構造が鏡に映したように構造が異なる
「左手型」と「右手型」があります。
今回りゅうぐうの試料含まれていたアミノ酸は左手型と右手型が同じ
割合で見つかったようです。
その一方で、地球の生命はほとんど左手型が用いられております。
そのため、地球上の生命の起源が宇宙由来かどうかを結論づける成果に
なるかという点では難しい。
ただし自然界のアミノ酸には、鏡に映したように構造が反転している
「左手型」と「右手型」がある。
りゅうぐうの試料に含まれるアミノ酸は、左手型と右手型が同じ割合だった。
一方、地球上の生命はほとんどが左手型を使っており、生命の起源の謎の一つだ。
このため、地球上の生命の起源が宇宙由来かどうかは、今回の成果からはまだ
わからないという。
りゅうぐうは氷天体
りゅうぐうの試料を電子顕微鏡等で観察した結果、体積に占める隙間の割合を表す
空隙率(くうげきりつ)は50%にもなる。(スカスカな状態)
また、そこに含まれる磁鉄鉱(じてっこう)粒子が大きさごとに整理されたように
分かれて分布していることが判明しました。
りゅうぐうはこれまで、天体同士の衝突によって生じた細かい破片が引き付けあって
集まって形成された小惑星と考えられていたが、この説にそぐわない構造である。
このことから、りゅうぐうの起源は大量の氷より成り立ち、有機物や金属を豊富に
含む数十キロの氷天体が起源だという新説を提唱しました。
氷天体は原始太陽系の外縁軌道に存在し、太陽系形成より260万年後以降に他の
天体との衝突で破壊が起こり太陽引力で太陽に近い軌道に移動してきて氷が主体
となる数キロの核を持つ彗星になったという。
この彗星の核の氷が太陽熱で蒸発してなくなり、残った物質でできたのがりゅうぐう
のような有機物や水が豊富で空隙の多い低密度の小惑星だという。
氷天体の内部は、アルミニウムの原子核が崩壊してマグネシウムに変化する現象が
起きて、その時生じたエネルギーで高温になるエネルギーを使い切ると再び冷えた
と考えられる。
研究チームによりますと、試料にて観察された整然と並んだ磁鉄鉱粒子は、氷天体が
熱せられる過程で氷と水の教会部分で少しづつ生成されてこのけいじょうになった
という。
アミノ酸もこの温度変化の過程で生じた多様な化学反応で生じたと考えられる。
氷天体の氷を覗いた部分の空隙率は30から60%なので、りゅうぐうの試料の空隙率
の50%と矛盾しないという。
岡山大学特任教授(物質化学)中村栄三氏は、りゅうぐうをはじめとした炭素系
の物質を主成分とする炭素系小惑星の起源は、いずれも氷天体だとみられる。
この仮説を証明するためにりゅうぐうの試料をさらに詳しく分析したいと
話している。
まとめ
日本の探査機はやぶさ2が2020年に持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂
などの試料を分析した結果、アミノ酸23種類以上を検出したことが
発表されました。
試料が含む金属粒子の並び方よりりゅうぐうは、氷が主成分になる「氷天体」
とみられることもわかってきました。
りゅうぐうに含まれている成分調査は、生命生存に極めて重要な物質で生命誕生
の謎を解明する大きな手掛かりになると期待されている。
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