静岡県のアマチュア天文家おすすめの画像補正ソフトを紹介!-画像処理ツール「GraXpert」-

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天体写真の画像処理ツール「GraXpert」は、これまでAIによる背景除去や

ノイズ低減で注目されてきました。

最近、バージョンアップした3.1.0 rc2 β版では待望の「AIデコンボリュー

ション(星像復元)」機能が追加されました。

PixInsightのBlurXTerminatorに近い処理が、ついに無料で体験できるように

なりました。

静岡県のアマチュア天文家による、実際の撮影画像と具体的な使い方を紹介します。

タイトル画像  GraXpert  Background Extrsctiono + Denoising 処理

撮影日 2025年5月5日 撮影者 大石賢氏

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GraXpert 3.1.0 rc2 β版のインストールと初期設定

  • GitHubから最新版(Windows, macOS, Linux対応)をダウンロードし、解凍後すぐに
  • 実行することができます。
  • インストール不要ですが、AIモデルは、別途ダウンロードが必要な場合があります。
  • 初回起動時は「ADVANCED」ボタンで詳細設定を開き、AIモデルのバージョンを最新に
  • 設定します。
  • 不具合があれば一つ前のバージョンに戻すのも手段のひとつとの事です。
  • 「AI Hardware Acceleration」はNVIDIAのCUDA対応GPUがあればONを推奨します。
  • CPUのみでも動作しますが、処理速度が大きく異なります。

使用経験者の清水市の大石氏によるとこのソフトの使用には、PCグラフイックボードが

必須との事でした。

具体的な使い方

1. 画像の読み込み

  •  「Load Image」ボタンから処理したいFITSやTIFF画像を選択します。

2. デコンボリューション設定

  •   画面右側の「ADVANCED」から、以下の設定を行います。
    •   AI Model:基本は最新を選択。
    •   Sharpening Mode
      •   Both(全体)、Stellar only(星のみ)、Non-Stellar only(星以外)から選択。
    •   Sharpen R, G, B Channels Separately:RGB各チャンネル個別にシャープ処理を
    •   かけたい場合はON。
    •   Non-Stellar Sharpening:背景成分(星雲など)もシャープにしたい場合にON。
  •   FWHM(星像の広がり)値を設定。自動検出も可能ですが、画像上で恒星をドラッグで囲み、
  •   「星を選択」から手動で登録する方法もあります。
  •   これにより誤検出を防げます。

3. デコンボリューション実行

  •   「Deconvolution」ボタンを押すだけです。
  •    最初は黒い画面で少し待たされますが、異常ではありません
  •    処理後、星像のシャープさが劇的に向上します。
  •    特に微恒星や流れが軽微な星像に効果的で、PixInsightのBXTに近い補正が可能です。

実際の効果と評価

  • 効果
    周辺収差や微妙な星像の流れもかなり補正でき、これまでSiriLやステライメージでは
  • 難しかった領域に手が届きます。
  • 流れがひどい場合は限界がありますが、少しの流れなら十分実用的です。
  • 使い勝手
    サンプルポイントの手動選択が不要なAIモードが秀逸。初心者でも迷わず処理が進められ、
  • 時短にもなります。
  • 注意点
    β版のため、不具合や予期せぬ挙動もあり得ます。
  • 大切なデータは必ずバックアップしてから利用しましょう。

他ソフトとの比較・まとめ

ソフトデコンボリューション精度操作性価格
GraXpert 3.1.0 rc2高い(AI対応)非常に簡単無料
PixInsight BXT最高峰やや複雑有料
SiriL標準的簡単無料
Cosmic Clarity高い(AI対応)普通無料

静岡県清水市のアマチュア天文家大石賢氏が、縮小光学系で撮影した

系外銀河の天体写真を紹介の画像処理ソフトで処理した画像です。

 GraXpert  Background Extrsctiono + Denoising 処理

 GraXpert  Background Extrsctiono + Star Deconvolutino+Denoising 処理

その後、両方とも 

ACSee 2022 画像処理済ソフトで カスミ除去 ホワイトバランス調整

2025年5月5日 

ミューロン210 コリメート光学系 合成焦点距離 約600mm

CMOS Player One Urnus-C  -20°冷却 Gain 350

露出時間 60秒X15枚

撮影者及び撮影コメント 静岡県 大石賢氏 

大石氏によるとこのソフトの処理には、グラフイックボードが必須。

明るい星には、効果が少なく、微光の系外銀河は、縮小してしまう

傾向があるとコメントを頂きました。

他のユーザーからは、「流れていた微恒星がだいぶ見れるくらいになりました。

流れがひどいので完璧ではありませんが、良い感じです。周辺収差くらいの流

れであれば、もっと効果的なんじゃないですかね。」とのコメントがありました。

Graxpert 3.1.0 rc2 β版 のダウンロードサイト

Release 3.1.0rc2 · Steffenhir/GraXpert
We are happy to provide the second release candidate for GraXpert 3.1 Changes and improvements Added an ai model for stellar deconvolution. That is, deconvolvi...

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Graxpert 3.1.0 rc2 β版 を使ってみて

『GraXpert 3.1.0 rc2のデコンボリューションを使ってみる』
画像の編集をするときGraXpert 3.0.2(リリース版) を使っています。 今回はそのリリース候補版のGraXpert 3.1.0 rc2 を使って見よ…

まとめ

GraXpert 3.1.0 rc2 β版は、無料でここまでできるのか!と驚くほどの

高性能の画像処理ソフトです。

AIによる自動化で作業効率も大幅アップしました。

PixInsightに手が出せなかったユーザーや、普段SiriLやステライメージを

使っている方にも強くおすすめできます。

今後の正式リリースが楽しみです。


情報および撮影画像をご提供頂いた静岡県の大石氏に誌面にて感謝します。

 

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