今回はひさしぶりに健康関連の記事紹介です。
胃がんの原因が、胃に感染したピロリ菌であることがわかって、ピロリ菌除菌が
保険適用になって9年になりました。
毎年5万人が胃がんで亡くなった死亡率が顕著に減少しました。
この間に85万件のピロリ菌の除菌が行われ、医療費が3800億円の削減に
なったと試算されました。
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胃がんとピロリ菌
胃がんは、1997年頃まで、日本人のがん死亡率の1位でした。
胃がんの原因は、塩分の多い食事や喫煙が原因と考えられていましたが、
1980年代にオーストラリアの研究者により、胃の中にピロリ菌を
発見されました。
そしてWHO(世界保健機構)により、胃がんの原因のほとんどは、
ピロリ菌が原因と表明した。
胃がんの減少は、ピロリ菌の除菌がカギになる。
ピロリ菌は、免疫の形成が不十分な幼児期に飲み水等により感染する。
そのため、衛生状態の改善されてきた若い世代になるほど、感染率は
低い。
ピロリ菌に感染すると慢性胃炎に移行して、そのうちの一部の人が
胃がんを発現するという。
胃の中にはPH1.0という強酸性の胃酸が存在します。
この胃酸の中に細菌が存在するという事は驚きでした。
当初は、胃の中に細菌が存在するという発想がむつかしいかった
と思います。
私も1990年代に病理医教授に「これがピロリ菌だよ。」と顕微鏡で患者の
胃生検組織標本で見たのが最初でした。
胃腺上皮組織の上部に細菌の集塊が確かに存在しました。
人間というのは、不思議なもので一度、存在を認識するとその後は、自然に
顕微鏡で見る胃生検組織の中にピロリ菌の存在がわかるようになった記憶があります。
ピロリ菌には、ウレアーゼという酵素をつくる機能がありこの酵素が胃酸を
中和する事で存在が可能だという。
画像の細菌は、ピロリ菌ではありません。
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌を除菌すれば、胃がんの発症リスクが下がる事が国内外の
臨床研究で確かめられ、日本では、2000年に胃潰瘍・十二指腸潰
瘍に対する除菌が保険適用、2013年には、慢性胃炎にも拡大し、
すべての感染者の除菌が可能になりました。
現在は、内視鏡検査で慢性胃炎と診された患者に血液検査でピロリ菌
の検査を行い陽性なら保険適応で除菌を行う。
除菌しても胃炎のが進行していると胃がんの発症率が進行していると
胃がんを発症する確率が高くなるため、定期的な内視鏡検査が推奨
されている。
除菌による胃がんの発症率の減少と医療費削減
北里大学の小和田暁子客員研究員が発表した論文によると2013年から
19年に行われた除菌により約24万4千人が胃がんの発症を免れ、6万
5千人の死亡を防ぐと推計されました。
医療費の削減は3800億円になるといいます。
さらに2020年時点で、約3500万人いるというピロリ菌感染者
全員を除菌できれば、108万人の発症を予防して25万人の死亡を
防ぎ、1兆5千億円の医療費の削減ができるといいます。
まとめ
胃がんの原因が、胃に感染したピロリ菌であることがわかって、ピロリ菌除菌が
保険適用になりました。
毎年5万人が胃がんで亡くなった死亡率が顕著に減少しました。
85万件のピロリ菌の除菌が行われ、医療費が3800億円の削減になったと試算
されました。
2016年以降、除菌に対する関心が薄れてきて、受診者が減少傾向にあるという。
除菌で胃がんのリスクが減り、合わせて内視鏡検査で早期発見できるので
もっと関心を持ってほしいという。
参考文献および引用
静岡新聞の健康記事より 2022年4月19日 夕刊 P5
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