2023年に静岡県の西村栄男氏が発見した西村彗星
(C/2023P1)は、12月のうみへび座σ流星群の
母天体ではないかと考えられている。
静岡県のアマチュア天文家の古知辰郎氏は、母彗星
通過後の2024年のうみへび座σ流星群の定点撮影を
行いました。
そして、この流星群が活発に出現したことを確認
しました。
今回はその観測の報告を紹介します。
タイトル画像 2024年うみへび座σ流星群の合成
写真 2024年11月26日から12月3日
撮影者 静岡県 古知辰郎氏
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流星群の観測方法の再検討
ここからは、古知辰郎さんの手記を紹介します。
静岡県の西村栄男さんが2023年8月に発見した
西村彗星(C/2023P1)はうみへび座σ流星群の
母天体の可能性が指摘されており、これまで
ノーマークだったうみへび座の観測を2023年
からATOMCAM2を用いて行っています。
2023年は西村彗星の関係が指摘されてから
極大日までの期間が短く、観測の方法の
十分な検討ができませんでしたが、基本的な
方法として
①天の赤道と子午線の交点を中心とした固定
撮影(感度優先のモノクロ撮影)
②動画ファイルからmeteor-direct(作成者:
長谷川均氏)により流星検出
③検出した流星画像を写真星図にプロット
(動画ファイルにより方向も確認)
によるプロット観測を試みました。
これは輻射点とされるうみへび座頭部付近は
天の赤道に近く、出現期間の未明には、子午線
を通過することから考えた方法でうみへび座
σ流星群向けの観測方法だと思います。
2024年も基本的には2023年と同様の方法で検出
結果を写真星図にプロットし、うみへび座σ群由来
と思われるもの、それ以外を分類する方法を取り
ました。
今回は可能な限り長期間サンプルを取ろうと考え、
11月26日から12月11日まで毎晩撮影しました。
(結果的には月齢と天候で十分なサンプルとは
言えませんでしたが・・)
2023年の西村彗星の軌道考察
うみへび座σ群は12月5日頃が極大で輻射点は
8h28m +2°とされています。
C/2023P1の地球接近は、近日点通過前となりますが
黄道面を通過した2023年8月23日頃だった様です。
うみへび座σ群が西村彗星由来と仮定すると黄道面通過
後のダストレイルが流星の起源になりそうです。
ダストレイルの形成や物理的な計算は分かりませんが
単純に西村彗星の黄道面通過点の太陽方向からの延長線
の地球が位置するのは12月1日頃になりました。
(ステラナビゲーターより計算)
うみへび座δ群が西村彗星由来かを証明するにはプロット
観測ではむつかしいにしても、西村彗星のダストに起因
する流星が12月1日前後にうみへび座σ群の輻射点に近い
方向から出現するのでは?と考えました。
西村彗星のダストに地球が飛び込んでいく方向がうみへび座
方向なのであながち間違いではない気がします。
次回へ続く
参考文献及び引用文献
浜松スペースハンタークラブ会誌 ほし 第196号
関連記事
-昨年、発見された西村彗星が母天体-
まとめ
2023年に静岡県の西村栄男氏が発見した西村彗星
(C/2023P1)は、12月のうみへび座σ流星群の
母天体ではないかと考えられています。
静岡県のアマチュア天文家の古知辰郎氏は、母彗星
通過後の2024年のうみへび座σ流星群の定点撮影を
行いました。
アマチュアに使える機材で、入念な観測準備を
行う様子を紹介しました。
次回はその観測結果を照会します。

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