天体写真を続けていると、撮影機材の差
と同じくらい「画像処理の差」が作品の
印象を大きく左右することに気づきます。
そんな中、深宇宙の淡い光を丁寧に引き出
したい人たちから高く支持されているのが、
PixInsightです。
島田市のアマチュア天文家の大石賢氏は、
PixInsightを用いて縮小コリメート法で
撮影した天体を画像処理を行いました。
PixInsightにて、実際に画像処理した
作品についてご紹介します。
タイトル画像
NGC7008 惑星状星雲
縮小コリメート法撮影した画像を
PixInsightにて画像処理
撮影者 大石賢氏
ブログ村ランキング参加中!応援クリックお願いします
にほんブログ村
こぎつね座 M27(亜鈴状星雲)
M27は、夏の夜空で見つけやすい明るい惑星
状星雲で、鉄アレイのような形が印象的です。
中心星のまわりに広がるガスが美しく、双眼
鏡や小口径望遠鏡でも楽しみやすいのが魅力
です。

従来処理のM27 亜鈴状星雲
撮影データ ミューロン210
コリメート収縮光学系
合成焦点距離 600mm
Gain200 30秒X50枚
Uranus-C Pro -10°冷却
Sharpcap4.1月
32bitライブスタック画像
従来処理 GraXpert フラット
AffinityPhoto
NXTデノイズ ストレッチ
AIarty Image EnHancer
シャープ化
用語解説
■GraXpert(背景補正・AIベースの処理)
GraXpertは背景ムラの除去(フラット
補正代替や 追加)とAIノイズ低減を得意
とする外部ツールで、ワークフローの最初
に「Globalなムラ」を取るため に使うこ
とが多いです。
背景を滑らかにしてから細部処理に進める
ための下 ごしらえになります。
■Affinity Photo(汎用編集ソフト)
Photoshop的な操作(部分的なレイヤー
処理、ローカルなトーン調整、最終的な
仕上げ)に使うことが多いソフトです。
ピクセル単位での色微調整や合成、最終的
なトリミングに便利です。
■AIarty Image EnHancer
(AIを使った画質向上)
AIベースで細部のコントラストや解像感を
強める処理です。
適用すると「ディテールがシャープに見える」
効果がありますが、人工的な輪郭やアーティフ
ァクトが出ることがあるため扱いには注意が
必要です。

PixInsightによる画像処理 M27
撮影データ ミューロン210
コリメート収縮光学系
合成焦点距離 600mm
Gain200 30秒X50枚
Uranus-C Pro -10°冷却
Sharpcap4.1月
32bitライブスタック画像
PixInsight ImageSolver
SPCC
GraXpert
BXT
Histogram Trancsformation
NXT
CurvesTransformation
PixInsightによる画像処理は、
「まずフラットやGraXpertで背景ムラを取って
土台を整え、ImageSolver→SPCCで色基準を
入れ、BXTで必要な復元を行い、最後にHistogr
am/Curves/NXTでストレッチとノイズ処理、
AffinityやAIで最終仕上げしていくようです。」
用語解説
■ImageSolver
画像(天体写真)に天体座標(星の位置)情報
を埋め込むツールです。これを使うと「SPCC
(自動色補正)」など座標/星表を参照する処
理が正確に動きます。
■SPCC(Spectrophotometric Color
Calibration)
Gaia等の星表を使って、撮像データの色を
物理的に正しい基準へ合わせる自動色補正
です。
天体写真の色味を標準化して、自然で再現
性のある色合いに整えます。
通常はリニア領域で行います。
■GraXpert
(PixInsightワークフローに組み込む場合)
PixInsight外のツールですが、PixInsight処理の
前段(リニア)や後段(非リニア)いずれにも組み
込めます。
背景抽出やAIデノイズなどを担い、特に光害ムラや
大きなグラディエントを取るのに有効です。
■BXT(BlurXTerminator / 画像復元)
PixInsightの代表的な復元系(デコンボリュー
ション)プラグインで、星像の収縮(シャープ
化)や微細構造の復元に使います。BXTはノイ
ズに対してある程度強い学習済み手法も持ちま
すが、一般にノイズ低減との順序(どちらを先
に行うか)で結果が大きく変わるため注意が必
要です。
■Histogram Transformation
(ヒストグラム変換)
線形/非線形での基本的な明るさ・コントラスト
調整の一つ。
ストレッチの起点として使われ、暗部や背景の基
準を設定するために重要です。
■NXT(ノイズ低減モジュール/プラグイン)
PixInsightのノイズリダクションや外部ノイズ
除去ツールを指します。
マルチスケールNRなど手法はさまざまで、適用
タイミングによりディテール保持とのトレード
オフがあります。
■CurvesTransformation(カーブ変換)
色や明るさを局所的に細かく調整するためのツール
で、非線形段階での最終的なトーンや彩度の決定に
使います。
局所的な色の持ち上げや階調の整えに便利です。
撮影者のコメントより
BXTによりコリメート収縮光学系による星像の流れが
大幅に補正されています。
SPCCにより、背景の色がグレーに修正され、赤カブリ
が除かれています。
これにより、コリメート収縮光学系による撮影でも、ほぼ
直焦点撮影に近い画像が得られるようになりました。
はくちょう座 NGC7008 惑星状星雲
NGC7008は、見た目がやや複雑で、淡い構造の奥
にある繊細な表情をじっくり味わえる惑星状星雲で
す。
派手さよりも、よく見るほどに構造が見えてくるタ
イプなので、撮影でも観察でも“掘りがい”のある
対象です。

PixInsightによる画像処理 NGC7008
撮影データ ミューロン210
コリメート収縮光学系
合成焦点距離 600mm
Gain200 30秒X50枚
Uranus-C Pro -10°冷却
Sharpcap4.1月
32bitライブスタック画像
PixInsight ImageSolver
SPCC
GraXpert
BXT
Histogram Trancsformation
NXT
CurvesTransformation
撮影者のコメント
PixInsight は各種画像処理モジュールの
プラットッホームのようなソフトです。
特に BXT は、歪んだ星像も丸く補正し、
星雲の微細構造をシャープ化するので
コリメート収縮光学系の弱点だった星
像の歪みやにじみを目立たなく補正して
直焦点で撮したような画像になりました。
今後は、PixInsight の処理を意識して
撮影しようと思います。
関連記事リンク
まとめ
PixInsightは、天体写真の可能性を
大きく広げてくれる高機能な画像処理
ソフトです。
特に、淡い対象を丁寧に引き出したい
深宇宙撮影では、その真価を強く実感
できます。
学習には少し手間がかかりますが、
そのぶん得られる表現力と再現性は
非常に大きな魅力です。
大石氏のようなこだわり派の方に
最適な画像処理ソフトのようです。
画像提供と掲載許可を頂いた大石氏に
誌面にて感謝申し上げます
今後の活躍に期待したいですね。

スポンサーサイト
ドメイン取得とホームページ作成には
ブログ作成には

コメント