静岡県のアマチュア天文家による小惑星掩蔽観測の成功例を報告!-リアルな掩蔽観測の様子を紹介-

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NHK『サイエンスZERO』の2026年9月

13日に天文愛好家による小惑星による恒

星掩蔽観測について放送され、掩蔽観測

に興味を持たれた方もいるのでばないで

しょうか。

静岡県内で実際に小惑星の掩蔽観測を行

っている内山貞幸さんが、最近の掩蔽観

測の成功例の手記を送ってくれましたの

でここに紹介します。

掩蔽観測の実際を体感できる記事内容です。

タイトル画像

内山貞幸氏の自作の掩蔽観測所の外観 

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星が一瞬、消える。その瞬間が宇宙の謎を解く

NHK『サイエンスZERO』で放送された

「掩蔽(えんぺい)観測」。

夜空を見上げていると、ある瞬間、ひとつ

の星がふっと消え、数秒後にはまた姿を現

す。

これは、目に見えないほど小さな小惑星が、

遠くの恒星の前を横切ったために起こる現

象です。

一見すると「星が瞬いた」だけのように思え

ますが、この減光の時刻と長さを正確に記録

すると、小惑星の大きさや形、軌道、さらに

は大気の有無まで調べることができます。

実際、小惑星トリフネの探査では、天文愛好家

のべ約200人が掩蔽観測に参加し、はやぶさ2

の接近観測を地上から支えました。

今回は、そんな「星の瞬き」を実際に捉えた、

県内の掩蔽観測者の挑戦を紹介します。

専門的な装置だけが許す観測ではありません。

望遠鏡とカメラ、そして正確な時刻があれば、

アマチュアの観測も宇宙探査や天文学の研究

につながります。

その掩蔽観測のリアルな成功体験を、ぜひ

最後までご覧ください。

小惑星により恒星掩蔽観測の概要

ここから内山貞幸さんの手記になります。

掩蔽観測というのは月が太陽を隠す日食と仕組みは同

じで、この場合の月が小惑星に、太陽が恒星に置き換

わったと考えれば良いです。

恒星は無限遠の距離にあるとみなせます。

恒星の前を横切る小惑星の影は、そのまま地上に投影

され、小惑星は自身の軌道上を進みますのでその影も

移動していきます。

地上の影の移動状態を「掩蔽帯」といいます。

この掩蔽帯上に居る観測者はほんの数秒間、恒星が消え

たように見えます。

消えた時間を測定すると、小惑星の移動速度(影の移動

速度)から小惑星の大きさを推定できます。

小惑星の直径は数kmから100km程度、観測可能な恒星

の光度の最小は13等程度です。

掩蔽時間は0.1秒から数10秒程度です。

当然ながら望遠鏡の口径は大きなもの、ビデオカメラは

感度の高いCMOSカメラが有利です。

観測に成功した人が10人以上いれば、整約計算により、

対象の小惑星の複雑な形状も推定可能です。

しかし、予報されていても天気や恒星の高度などに制約

され、観測が成功する確率は低いです。

また整約計算のできる人は限られています。

国内での観測者は50人程度で関東から西の地域に

多いです。

予報は「Occult4」や「Occult Watcher」で知る

ことができます。

観測結果の報告は「JOIN」や「IOTA/EA小惑星・

惑星部局」にメールで送付します。

観測の実際について

私は10年程前から「MEADE LX-90 12インチ口径

経緯儀 自動追尾」と天体撮影用ビデオカメラを用いて

観測を行っています。

観測の成功は1年間に数回、最近は1~2回

程度です。

なかなか予報にも天気にも恵まれません。

少し前になりますが、2025年2月19日に

小惑星Nakanoによる恒星の掩蔽の観測に

成功しました。

(参考にこの小惑星は小惑星 (3431) Nakano は、

1984年8月24日に高知県芸西村の芸西天文台で、

関勉さんによって発見されました。

命名の対象となったのは、彗星や小惑星の軌道計算・

同定で多大な貢献をした天文計算家の中野主一さん

です。)

予報は、

           小惑星    (3431)Nakano(15.2mag)

      恒星       UCAC4 513-050035

               光度 13.2等

                         赤経 9h18m8.8s

                         赤緯 +12°30′3.3″

                         高度 67.409°

                         方位 5.008°

           中心時刻:23時20分17秒JST

 「Occult4」による掩蔽帯予報は、

です。

「Occult Watcher」による掩蔽帯予報(拡大して

いる)は、

です。

中心は赤色線、幅は緑色線です。

私の観測場所のほぼ真上を小惑星の中心が

通過する予報になっています。

 内山氏の自作の掩蔽観測所の外観

報告した観測結果は、

1.観測要素

 ビデオ撮影 :23時 16分00秒~23分30秒

 1ppsLEDの発光 :23時 16分00秒~18分00秒

                            23時 21分30秒~23分30秒

   時刻解析をm秒単位まで可能なように、GPSの

 1秒信号にパソコンの時刻を0.1m秒以下まで同期

 させています

 CMOSカメラ  :露出時間 202msec

          ゲイン  450

2.解析結果

 減光を確認 減光時刻   開始:23時20分6.382秒

               ±0.057秒JST       

                          終了:23時20分9.409秒

               ±0.054秒JST

です。

撮影したビデオ画像の一部は以下となります。

左上の表示時刻はUT(世界時)です。

減光前

減光中

 画像中央の星が減光しているのがわかります

復光後

画像の中心付近に2つ恒星が写っていますが、

右の恒星が一瞬消えています。

他の恒星はそのままです。

私の他にはもう一人の方が観測に成功して

おりました。

二人の報告により、広瀬敏夫氏から整約図が

発表されています。

まとめ

NHK『サイエンスZERO』の2026年9月

13日に天文愛好家による小惑星による恒

星掩蔽観測について放送され、掩蔽観測

に興味を持たれた方もいるのでばないで

しょうか。

静岡県内で実際に小惑星の掩蔽観測を行

っている内山貞幸さんが、最近の掩蔽観

測の成功例の手記を送ってくれましたの

でここに紹介しました。

全国的に晴天率の高い静岡県においても

観測成功は年1~2回程度との事。

実際の掩蔽観測のむつかしさがわかります。

それゆえに観測成功時のうれしさも大きい

のでしょう。

また、この掩蔽観測の結果が後々まで重要な

研究資料として後々まで残ることと思います。

手記を送ってくれました内山氏に誌面にて

感謝申し上げます。

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