レナード彗星が12日に最も地球に近づき、18日金星へ接近し、
いよいよ来年の1月3日に近日点を通過(太陽に最も近づく時期)
します。
金星を通過後に彗星がアウトバースト現象を起こしたようで
予報光度が数等級明るく再計算されました。
実際に、レナード彗星が2等級の明るさで観測されたという
報告もあります。
今後の彗星の動向が気になります。
ここ数日の彗星の見え方とアマチュア天文家の最近の撮影画像
を紹介したいと思う。
2021年は、あまり明るい彗星の話題がありませんでしたが、
レナード彗星は2021年で最も明るくなった彗星になります。
レナード彗星
レナード彗星は、2021年1月3日にレモン山サーベイの1.5m望遠鏡で、
レナードが、りょうけん座とうしかい座の境界近くを撮影した画像から
発見した新彗星です。
発見時の明るさは19等級発見当時10″のコマと西に約5″程の尾が見え
ていたとの事です。
この時この彗星は太陽から5天文単位(7.5億km)離れた位置にあり
ました。
彗星は、11月後半から地球に接近し始め、2021年12月12.5日(UT)
には地球に0.23AU(3500万km)まで接近し、6日後の12月18.0日
(UT)には、金星に0.029AUまで接近すると予報されておりました。
実際の観測では、地球に最接近する12月12日頃まで、明け方の東天
おおぐま座やりょうけん座よりうしかい座の方向に見られ明るいコマと
長い尾を観測できました。
しかし、彗星の光度は、予報よりやや暗い印象でした。
双眼鏡や望遠鏡的には、彗星らしい姿を見る事ができました。
12月18日の金星への最接近の頃には、日暮れの西天方向に見えるようになり、
この頃アウトバースト(急増光)現象を起こしました。
これにより3等級くらいの明るさで見えると話題になりました。
アウトバーストした彗星は彗星のコマが明るく光が小さく集光して
光るので、一見、恒星状に見えるため、彗星でなく星(恒星)
と見間違える程です。
12月20日と21日のレナード彗星の見え方
レナード彗星が西天方向に見えるようになってから12月20日と
21日に実際にこの彗星を見ました。
日没後の17時30分過ぎの西空低空で金星を目安に予報位置にある
彗星を探します。
彗星を見た印象ですが、口径150mm双眼鏡25倍では、
鋭い集光したコマと後方にやや扇状に広がった短い尾を見る事が
できました。
明るさは、12日頃に東天で見たときより増光しているのがわかります。
バーストの影響で彗星事態の形状も変化しています。
以前のブログで紹介しましたNV(ナイトビジョン)を通して
彗星を見ますと鋭く集光するコマとその周囲を柔らかいガス状
の光がそのコマを取り巻き更に後方に幾筋かに分かれ尾が伸びて
いるのがよく見えました。
昨年のネオワイズ彗星は、悪天候で見る機会がありませんでしたので、
ひさしぶりに見る明るい彗星です。
更にアウトバーストした彗星をみるのは、2007年のホームズ彗星以来
です。
(2010年の池谷・村上彗星もアウトバーストした事で有名な彗星です。)
星の好きな人のための新着情報では、吉田誠一さんのホームページに
リンクされレナード彗星の観測光度の報告がまとめられており
2等級台の観測報告もあるようです。
星の好きな人のための新着情報 2021年12月22日
レナード彗星(C/2021 A1)バーストした模様。2等台の報告が
最近のレナード彗星の撮影画像の紹介
地元のアマチュア天文家が、熱心にレナード彗星の写真撮影を行って
おります。
静岡県T氏の12月20日の撮影画像です。
T氏は、彗星の写真撮影のベテランです。
低空の短時間しか見えない彗星を毎回適格に捕らえております
湖上の彗星 17:50 150mmF4 ISO2000 4s
拡大は17:58 300mmF2.8→F4.5 ISO1600
4s×6枚コンポジット
静岡県N氏の撮影した画像です。
2021年12月22日
画像は17:50 13秒露出 200mmF3.2レンズ
まとめ
今回も明るくなっているレナード彗星についての
直近の眼視的な見え方と直近の撮影画像を紹介しました。
明るいとはいえ、日没後の西天の低い位置にあるため
見晴らしのよい空の見える場所で
星に詳しい方のサポートを受けたり、星のシュミレーション
ソフトと双眼鏡や小型望遠鏡を準備すれば、
この彗星を見ることができるかもしれません。
彗星の近日点が来年の1月3日です。
今後も彗星の動向を注視したい。
ブログランキング参加中、応援クリックお願いします。
にほんブログ村
広告
コメント