天文同好会「浜松スペースハンタークラブ」の歩みを同好会会員の手記とともに振り返る -2-

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このブログにこれまで数々の新天体発見

や美しい彗星の撮影画像、情報を提供し

てくれている天文同好会

「浜松スペースハンタークラブ」。

このクラブの会報が、「創刊200号」を

達成しました。

200号の会報には、これまでのクラブの

歩みを振り返る投稿が寄せられました。

今回は、この機会に小和田代表による浜松

スペースハンタークラブの歩みと所属会員

の中村正光氏が、会誌に投稿した自身の

天文活動の取り組みについて振り返った

記述を並行してご紹介します。

同好会の今日までの長い天文活動の取り組

みとその間に起こった天文現象を交えなが

ら振り返って行きます。

今回は、1980年から90年代。

浜松スペースハンタークラブの会員が、

1987年の「寺迫彗星」の新発見や

1988年の「マックホルツ彗星」の独立

発見がありました。

その中で、中村正光氏による1994年の

「中村・西村・マックホルツ彗星」の発

見の手記を紹介します。

タイトル画像

C/1994N1 中村・西村・マックホルツ彗星

掛川市西村氏より提供

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「ほし」創刊200号達成! 56年余の歩み

ここより、小和田稔氏の手記になります。

その後、1982年4月以降は不定期刊行と

して発行を続けました。

この間には寺迫彗星(1987d=1987B2)

の発見、創立 20 周年(1989 年)や、オ

ーストラリアのコメットハンター・ブラッ

ドフィールド氏の来浜(1991年)、更に

は中村・西村・マ ックホルツ彗星(199

4m=C/1994 N1)の発見という大きな

出来事があり、その都度特集号 が発行さ

れました。

次回へ続く

1990 年代のアマチュアによる新彗星捜索の状況

ほし」第200号にて、今日までの天文

活動の取り組みについて振り返る

ここより、中村正光氏の手記になります。

1990 年代のアマチュアによる新彗星捜索の状況

高校卒業後は、東京の医療専門技術学校へ進学し、

授業と実習、国家試験に忙殺され、 天文活動は書

籍を読むくらいでした。

浜松に戻ってからも総合病院への就職活動や研修

新たな資格取得に忙しく、星を改めて見るように

なるのは、1990年代でした。

この頃には、スペースハンタークラブの寺迫氏が

新彗星、和久田氏が新星を発見。

クラブは名実通りになりました。

そして、この頃、新彗星の単独発見レコードを持つ

オーストラリアのブラッドフイールド氏が日本に

来日し、浜松で同氏とデイスカッションできる催し

が開催されました。

このような周囲の刺激もあり、多忙な業務の時間

の隙間に再び彗星 捜索を施行しようという取り

組みを再開し始めました。

1980 年代から90年代は、フジノンの大型双眼鏡や

ペンタックスの100mmF4を利用した写 真捜索に

よるアマチュア彗星捜索者による発見事例が多くな

って行きました。

その頃は、浜 松も都市化が進み、自宅周囲も光害が

ひどくなり、高層ビルが周囲に建設されていく状況

でした。

大型双眼鏡と良好な夜空を求めて

新彗星発見をしたいという強い思いを実現したくて、

1992 年に新彗星捜索スペックとしてフジノンの1

5センチ大型双眼鏡を購入し、さらに暗い夜空を求

めて、運転免許講習に通 い、車を購入し、捜索場

所を浜松北部にある川名にて新彗星捜索を行うよ

うになりました。

  

 フジノン大型双眼鏡 口径150mm 倍率25倍

川名野外センターの職員駐車場は、その当時東の空

の方向が低空まで、見渡せ、周囲に 街灯もなく、

真っ暗ではじめて夜、訪問した時は車から降りる

のも怖いくらいの暗夜でした。

ここで、発見直後の「高見沢・レビー彗星」や「高

見沢彗星」が、実際に見えたので、これなら発見で

きるかもしれないと強い期待感が持てました。

1994 年のこの年に、NEC のノート PC を購入し

ました。

当時は、パソコン通信が主流で、 ニフテイサーブ

に加入し、天文フォーラムから新彗星の発見情報

を入手しました。

そしてア ストロアーツの天文シュミレーションソ

フト「ステラナナビゲーター」を入手しました。

さらに 9 等級程度の恒星表示の拡張ソフトを購入し、

ベクバル星図と同等かそれ以上のスペ ックになりま

した。

1994 年の新彗星発見

1994 年当時は、人生で最も多忙の時期で、業務や

資格研修で多忙の中、わずかな余暇を 見つけて晴

れれば、新彗星捜索、曇りは、PC設定や情報収集

に明け暮れておりました。

仙台で開催された彗星会議に初めて出席したのも

この年でした。

この年は、年初に「串田彗星」が発見されたり、

望遠鏡的に明るい彗星が出現し、「高見沢・レ

ビー彗星」、「高見沢 彗星」が発見されました。

7 月6日の未明も平日でしたが、ひさしぶりの快晴

になりました。月明かりもありましたが、無理を押

してこの日もいつも通り、川名に捜索に行きました。

この日は、流星がよく飛来し、当時は、望遠鏡流星

の観測もしていましたので、出現時間と飛来方向を

メモして夢中で見ていたらほぼ真北のきりん座の方

向まで見ていたら見たことのない光の光芒が視野に

入りました。

この方向では、今まで見たこともない天体だったので、

スケッチをとり、時刻と双眼鏡 の架台から時刻と方位

、高度を読み取り、一度帰宅しました。帰宅後、スケッ

チと時刻、方位、高度からステラナビゲーターの星図

モードから見た星図位置を導き、該当する天体はなく、

リクの写真星図も確認、ニフテイの天文フォーラムに

も該当位置の新彗星発見情報 がないのを確認した後、

当時、所属していたコメットブレテンを発行していた

高知の関氏 に新彗星をおもわす天体についての報告

をしました。

翌日の夕刻、関氏や中野主一氏より電話があり、新彗

星の可能性が高い、スミソニアン に報告したとの連絡

がありました。

翌朝は、川名に再び、行きましたが、悪天候でその彗星

を確認できませんでした。

この彗星は、スペースハンターの西村栄男氏も独立発見

しており ました。

アメリカのマックホルツ氏も独立発見しており、3人の連名

で「中村・西村・マックホルツ彗星」と命名されました。

これが、自身のはじめての新天体発見になりました。

この当時は、とにかく忙しく発見後は、そのまま業務資格研

修に追われ、発見した新彗星の 動向も十分に追跡できません

でした。

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C/1994N1 中村・西村・マックホルツ彗星

掛川市西村氏より提供

1994 年のシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突

同じく1994年の7月にシューメーカー・

レビー第 9 彗星が木星に衝突する天文現象

がありました。

当初、 この現象は、地球からは見えないの

ではとの予想も ありましたが、実際には彗

星突入による衝突痕が明 確に観測できて、

その規模の大きさは天文界に衝撃を与えま

した。

1994年7月 シューメーカー・レビー第9彗星による木星の衝突痕

この天文現象をきっかけに彗星や小惑星の衝

突を 事前に見つけるための自動サーベイラン

スが本格的に行われるようになりました。

また、CCD カメラや CMOS カメラの性能

の向上やPCの技術革新もあり、リ ニア、

パンスターズやアトラスによる自動サーベ

イ計画の実施により、ほとんどの彗星が、

アマチュア が発見できる光度に達する前に

発見されるようになりました。

2000年代に入るとアマチュアによる新彗星

の発見は激減して行きました。

次回へ続く

天文同好会会誌「浜松スペースハンタークラブ」会報

第200号より引用 

まとめ

静岡県で活動する地方同好会

「浜松スペースハンタークラブ」。

スペースハンターの名前通りに今日まで

に多数の新天体発見し、掩蔽観測、地元

の古天文記録調査など数々の実績が

ある天文同好会です。

このクラブの会報が、「創刊200号」を

達成しました。

今回は、この機会に小和田代表による浜松

スペースハンタークラブの歩みと所属会員

の中村正光氏が、会誌に投稿した自身の

天文活動の取り組みについて振り返った

記述を並行してご紹介しました。

2回目は、浜松スペースハンタークラブの

会員が、実際に新彗星を発見した80年代、

90年代を紹介しました。

中村正光氏の、1994年の新彗星の発見の

手記を紹介しました。

このブログを読んで、この当時の事を思い出

したり、こんな時期があったんだと関心を持

って頂けたらと思います。

次回は、2000年代のクラブについて、

中村氏の手記について紹介します。

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