太陽の撮影に挑むアマチュア天文家にその魅力を聞いて見た!-7ー

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自宅のベランダを観測所にして太陽表面に見える黒点や粒状班、

プロミネンスを美しい画像や動画にしている静岡県のアマチュア

天文家Jhosua氏から引き続き、新しい手記が届きました。

その後も、太陽観測機材の創意工夫を積極的に行っているようです。

今回は、太陽観測機材の新工夫についての取り組みについて

紹介します。

アマチュア天文家の中でも太陽の観測機材は、レアな情報かもしれません

美しい太陽表面の撮影画像も併せてお楽しみください。

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太陽の撮影に挑むアマチュア天文家にその魅力を聞いて見た!-6-

 

「太陽の撮影に挑むアマチュア天文家にその魅力を聞いて見た! -5-」

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ここから本人の手記を記載していきます。

暫く続いた新機材編に続いて、今回は小細工編です!

機材を揃えた、使ってみた、としていくうちに「ここがこうだったら使いやすいのに」とか

「丁度いいサイズのパーツが売ってないんだよなー」といった事が出てきます。

そこで、自分はここをこうしているよ、というのを紹介してみようと思います。

~フラット補正用画像撮影板~

これは何だと思いますか?

この板を通して見るとぼやけて見えるようになります。

この板を望遠鏡の先につけて太陽に向けると、なにやらムラのようなものが見えてきます。

実際はもう少し薄い感じですけどね、ちょっと強調しています。

これは望遠鏡のレンズなどのムラや特殊なフィルターの製造ムラ、そしてレンズやフィルター、

カメラのセンサーに付いたゴミなどが写っているんですね。

このムラを撮影します。

フラット補正と言うんですがね、太陽とかを撮るとこういったムラが写りこんでいるわけです。

補正前の画像をよく見るとなんとなくムラが見えるのがわかると思います。

そこでフラット補正用に撮った画像を使って補正前の画像からムラの分を補正したのが補正後

になります。

補正前に比べるとまだら模様のようなムラが殆ど消えてフラットになっていますよね。

この補正に使う、ムラの部分だけを撮影するためのものが上記の

半透明の板なんです。

こんな感じで望遠鏡の先に取り付けが、できるようになってます。

正直に言うと、板で作ったものよりもこちらのほうが高性能だったりします。

スーパーなどのレジを抜けた所にあるカゴに入った買った商品を手持ちのエコバッグに移す

ための台にある、生鮮食料品などを入れるためのロール式のビニール袋。

あれです。

このビニール袋を輪ゴムで留めるのが一番露出時間が短くて済むんですよ!

板の場合は1枚の露出に2.5秒の所を1.5秒で済ませられます。

これを10~20枚ほど撮ると25~50秒が15~30秒になります。

じれったくならないのは良いのですが、袋をキレイに被せて輪ゴムで留める作業は両手を使い

ますし、その手間分の秒数を入れると実はあまり時間的に変わらないんですよ、これが。

そんなわけで片手でポンと被せるだけの板のほうを使っております。

ちなみに自分の場合のレシピはこちら。

・アクリルキャスト板 アクリル板 300x450x2mm

・シリコンチューブ 4mm×6mm MGJG-4.0

・uxcell 六角スタンドオフスペーサー M3 5+6mmメスオススレッド PCBピラー 6個入り

・uxcell 六角スタンドオフスペーサ M3 x 15mm ゴールドトーン 真鍮素材 10枚入り

アクリル板を丸く切って、3箇所に望遠鏡の先っぽのサイズに合わせた位置に穴を空けてスタンドオフ

スペーサーとかを組み付けただけです。

アクリル板のカットがちょっと大変なんですけど、柔らかいPET素材とかではうまくいかなかった

んですよ。

~真空グリス~

私の太陽望遠鏡の特殊なフィルターの調整方法は空気圧です。

写真の真鍮製の大きな筒に空気を貯めて、黒い大きなノブを閉めこんで圧力をかけて

調整するんですね。

この圧力をかけるための筒、ねじ込み式なわけですが、買った当初はここのグリスが殆ど付いて

なくて大丈夫かな?と思えるくらいだったんですよ。

モリコート シリコーン・高真空 高真空用グリース 50g FS-50

正にこういう圧力調整ノブのためにあるような商品です!

ちょっとお高いんですけどね、出費自体は数千円ですし、一回に使う量はそんなに

ないですから、手持ちの特殊フィルターの寿命が来るくらいの期間以上には持つん

じゃないですかね。

そう考えるとお安いかも。

グリスを換えて何が変わったかというと、ノブを回すのが軽くなりました。

軽いけど、しっかり圧力がかかる、そんな感じです。

調整の目安はカメラを操作するアプリ内のヒストグラムの形状で判断するのですが、

エッジの利いた鋭いグラフ形状を出しやすくなりました。

たぶん、軽くて微妙な操作がしやすくなって、さらに圧力のかかり具合が抜けが減った

分、リニアになったからだと思います。

~架台位置出し治具~

望遠鏡の架台は赤道儀と呼ばれるもので、回転軸を地球の回転軸とピタッと正確に

平行にしないといけません。

この調整は、夜は北極星近辺を目指して回転軸を合わせれば良いのですが、昼間は

北極星も何も見えません。

これでは昼間に架台を設置する太陽の撮影では支障を来たします。

私の場合、ベランダの手摺側の足元にアルミの角材を置いて、そこに架台の三脚を

押し当てる感じにしています。

夜の撮影の時にこのようにして位置出しをして、北極星近辺に向けて回転軸をきっちり

調整します。

そうすると、ベランダから撤収し、後日、昼間に同じように設置すれば、ほぼ回転軸を再現

する事ができるんですね。

自動追尾装置も併用しているので、一回の撮影が1分前後の太陽撮影

ではほぼ問題無く撮影ができるようになりました!

この方法は夕方に慌てて帰ってきて彗星の撮影をするような時にも使えます。

ただ、タイムラプスのような数時間かかる撮影の場合には、前日の夜にきっちり調整を済ませて、

架台だけ野ざらしにして夜が明けるたら望遠鏡を載せて撮影を始めるようにしています。

私は、アルミの角材を程よい長さにカットして使ってますが、カラーアングルのようなものを

DIY店で買ってきて代用する事もできますよ。

この場合は、Lの字のまま置くのではなく、角を上にして置くと三脚の脚にピタリとはまります。

スチールラックのキタジマ カラーアングル30型 450mm ブラック 2本セット

今回は小細工という事で、ちょっとばかり工具を使った工作も出てきました。

アクリルを切るのにカッターやヤスリとか使いますし、穴あけにキリも使います。

それでも日曜大工の範疇ですから、トライしてみてはどうで

しょうか。

次回は日曜大工のレベルが少し上がって金属加工に行きますよ。

まとめ

今回は、太陽観測に挑むアマチュア天文家Jhosuaさんの手記より

太陽観測を行うために創意工夫したポイントを紹介しました。

同じ太陽観測に取り組む太陽観測アマチュア天文家にも参考になる

記事ではないでしょうか。

次回も、引き続きJhosua氏による太陽観測のための工夫について

の取り組みを紹介します。

お楽しみにして下さい。

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私のこれまでの仕事や趣味の天文活動で得た専門知識や経験を用いて科学や天文学について、楽しくお話して行こうと思います。よろしくお願いします。

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