西村新彗星(C/2023P1Nishimura)の発見事情 -3-

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2023年8月13日に静岡県の西村栄男氏が新彗星を発見し、C/2023P1(Comet

 Nishimura)と命名されました。

その後、この彗星は太陽に接近し、大きな尾を伸ばし、本年最も明るい彗星に

なりました。

この新彗星を発見した西村氏の手記をご本人のご好意によりここに紹介します。

今回は3回目、手記の最終回です。

タイトル画像 西村新彗星 撮影者 田代貞氏

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新彗星 2023P1 Nishimuraとの出会い

夕方家に帰りパソコンのメールを開くと、前日と今朝の画像全9枚を札幌の金田宏さんに

送った回答が届いていた。

金田さんが今朝から夕方までの時間を掛けて調べられた7画像の彗星の精密位置

についてである。

前日15秒露出の3画像のうち2画像は背後の恒星と重なり測定できなかった

との事。

お礼の電話をすると「新彗星で間違いないだろう。」との事。

測定位置は、国立天文台等に送ってもよいとの了解も頂いた。

金田さんの彗星の精密位置をメールで送信し、ゆっくりと休めると思ったが

午前1時になるのを待って空の状態を確認する。

しかし、雲が多く心配で布団に入るも全く眠れない。

2時半、五明の茶畑に行って晴れ間が出るのを待つことにした。

空全体が雲に覆われているが東の低空だけに雲の切れ間が時々現れる。

しかし、星を写せる程の晴れ間は明るくなるまで現れなかった。

その日はどこかで新彗星が確認されることを祈るのみ、時間だけが

ゆっくりと経過していった。

彗星の江合の直後から「確実に彗星状の天体か」「既知の彗星か」

「他に発見者がいるのか」「第三者が確認してくれるのか」

「彗星の名前はどうなるのか」 「彗星の軌道は」

「彗星の光度変化は」等々思いを巡らす。

それがストレスになり深い眠りに就くことができない。

このような苦しみと新彗星らしきものを見つけた安堵感の連鎖する

時間は新天体捜索者しか味わうことのできない贅沢な時間なのだろう。

この感情が薄れてくるとまた新天体と出会いたいと高ぶってくるのは

、体が新彗星と出会った直後のストレスを再び求めているのかもしれ

ない。

16日早朝、待ちに待ったCBETが届いた。

彗星名は、《C/2023P1 Nishimura》であった。

彗星名は確定されたが、今後この新彗星が、どのようなドラマを展開

してくれるだろうか。

今回も多くの皆様にご協力頂いたことにお礼を申し上げます。

   西村新彗星 撮影日 9月3日 撮影者 西村栄男氏 

引用文献及び画像

天文同好会 浜松スペースハンタークラブ会誌「ほし」第189号 

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まとめ

2023年8月13日に静岡県の西村栄男氏が新彗星を発見し、C/2023P1

(Comet Nishimura)と命名されました。

その後、この彗星は太陽に接近し、大きな尾を伸ばし、本年最も明るい彗星

になりました。

この新彗星を発見した西村氏の手記をご本人のご好意によりここに紹介し

ました。

今後この彗星は、太陽に最接近し、明るく長い尾を伸ばします。

次回は、新彗星のその後について紹介します。

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私のこれまでの仕事や趣味の天文活動で得た専門知識や経験を用いて科学や天文学について、楽しくお話して行こうと思います。よろしくお願いします。

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